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“3度目の正直”となるか? 横浜FCが過去2シーズンの悔しさをバネに積み上げてきたもの

カテゴリ:Jリーグ

二本木昭

2019年11月12日

「このチャンスを自分で逃すわけにはいかない」

「去年の悔しさがあるので必ず上がりたい」と語る齋藤功佑。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 そして迎えた2019年。2018年の夏場から初秋にかけての失速を危惧したクラブは、主力級の流出は野村直輝と永田拓也の2名にとどめ、さらなる戦力の上積みを果たした。

 今、ピッチでは、あの悔しい年間3位・プレーオフでの劇的な敗退を喫したときにはいなかった中山克広や松尾佑介、草野侑己、そして中村俊輔が躍動している。皆川佑介の1トップとトップ下の齋藤功は、9月に3引分と停滞気味だったチームのアクセントとなって2位浮上に貢献。かつては絶対不可欠の攻撃の核であったイバとL・ドミンゲスをベンチに置き、ジョーカーとして起用するまでに選手層は厚くなった。

 たとえC・ヨンアピンが累積警告や故障で欠場したとしても、伊野波雅彦や田代がその穴を確実に埋める。ここまで6得点の斉藤光毅は、もはや横浜FCのアイドルだ。失敗のたびにその原因を分析し、ここまでチームを育て上げたフロントにも敬意を表したい。

 残り2試合。奇しくも、横浜FCがJ1昇格を果たした2006年シーズンと同じく、最終戦にホームで愛媛を迎え撃つこととなった。空に消えていった、美しい無数の青い風船の記憶。すでに昇格を決めていたあのときと状況は異なるが、おそらくスタンドには満員の観衆が詰めかけることだろう。大挙するサポーターの願いに応えられるか。

 ひとつ言えるのは、横浜FCほど届きそうで届かない辛酸をなめてきたクラブは今のJ2には存在しないということ。「このチャンスを自分で逃すわけにはいかない。去年の悔しさがあるので。去年はクラブがすごく落ち込んだのを体感しているので、必ず上がりたいですね」と齋藤功が語るように、その強い思いが選手を後押ししている面もあるだろう。7連勝の始まった20節から40節までは15勝5分1敗(42得点・17失点)。自動昇格にふさわしい成績と言える。

――最後に笑うのは横浜FCだ。

取材・文●二本木昭(フリーライター)
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