日本のU-17、U-22の奮闘ぶりに最大級の賛辞が贈られた
久しぶりのピッチでの指導の後に、サンパウロにいることの意味を忘れてはいけない。
ブラジレイロ・セリエAのコリンチャンス対フォルトレイザの試合をコリンチャンス・アリーナ、通称“イタケレ”へ生観戦をして来た。
一時帰国中も気になっていたのはブラジル国内リーグの行方だった。Jリーグを2試合ほど観戦させてもらったが、スタジアムに流れる熱の違いは正直に実感した。
サンパウロで観戦するブラジレイロ・セリエAの雰囲気は格別だ。20年前、この環境から日本リーグに移籍したカズが若くして感じ取ったステイタスの違い。
30年近く経ち、名古屋と仙台の試合を観戦しながら、ブラジレイロのゲームを懐かしく想い出す自分(まだ数日しか経っていない…)。何かが違う。サッカー文化、サッカーの持つステイタス感。心がワクワクするサッカーへの期待と怖さと緊張感……。
これから何が起こるか分からない高揚感、すれ違う観戦者たちとの空気感は、ひとつのイベントではない。闘いの場だ。
僕は、試合を3つの立場(選手、監督、観客)で味わうことにしている。観客の立場でも、見に来るという闘いがそこにある。
試合を決めるパフォーマンスが増えれば、そこから「ショー」を見ている最高のイベントに変わる。そうした試合を観ると、ブラジルの凄さをまた実感するのだ。
一方で、ここ最近は日本の若い選手たちへの評価もうなぎ上りだ。
U-17ワールドカップもブラジル国民から、過大評価と思われるほどのポジティブな反応があることを実感する。また、トレーニングマッチではあったが東京五輪世代のU-22日本代表は、3-2でブラジルのU-22代表チームに勝利を収めた。
若い選手が30時間以上の移動を強いられるブラジルに来て、強豪国やあるいはブラジルと互角以上の闘いをする。その姿は感動だ。ラグビー・ワールドカップで皆が感じた、泣けてくるほどの日本代表へのリスペクト。そうした最大級の賛辞に値するほどだ。
若年層の大会ゆえに露出はそれほどないし、大会の大きさから、気付きにくいかもしれないが、本当だ。
その反面、国内のJリーグ観戦で感じてしまったブラジル国内リーグとの差もまた真実だ。
改めて、僕は年末年始に日本を離れ、新年をサンパウロで迎え、「日本とブラジルを繋ぐ」仕事のひとつとしてソコホーSC U20の監督をやる。
ただ監督にもこの国は何が起こるか分からない。そんな責任が懸かる本気の時間を楽しめればと思う。
そしていつの日か、日本でJリーグを観戦しても、ブラジル国内リーグにも引けを取らないほどの興奮に包まれたスタジアムを見てみたい。
そんな日本サッカー文化の成功を感じる日を楽しみにしたい。必ずその日が来ると信じて!
2019年11月8日
三浦泰年
ブラジレイロ・セリエAのコリンチャンス対フォルトレイザの試合をコリンチャンス・アリーナ、通称“イタケレ”へ生観戦をして来た。
一時帰国中も気になっていたのはブラジル国内リーグの行方だった。Jリーグを2試合ほど観戦させてもらったが、スタジアムに流れる熱の違いは正直に実感した。
サンパウロで観戦するブラジレイロ・セリエAの雰囲気は格別だ。20年前、この環境から日本リーグに移籍したカズが若くして感じ取ったステイタスの違い。
30年近く経ち、名古屋と仙台の試合を観戦しながら、ブラジレイロのゲームを懐かしく想い出す自分(まだ数日しか経っていない…)。何かが違う。サッカー文化、サッカーの持つステイタス感。心がワクワクするサッカーへの期待と怖さと緊張感……。
これから何が起こるか分からない高揚感、すれ違う観戦者たちとの空気感は、ひとつのイベントではない。闘いの場だ。
僕は、試合を3つの立場(選手、監督、観客)で味わうことにしている。観客の立場でも、見に来るという闘いがそこにある。
試合を決めるパフォーマンスが増えれば、そこから「ショー」を見ている最高のイベントに変わる。そうした試合を観ると、ブラジルの凄さをまた実感するのだ。
一方で、ここ最近は日本の若い選手たちへの評価もうなぎ上りだ。
U-17ワールドカップもブラジル国民から、過大評価と思われるほどのポジティブな反応があることを実感する。また、トレーニングマッチではあったが東京五輪世代のU-22日本代表は、3-2でブラジルのU-22代表チームに勝利を収めた。
若い選手が30時間以上の移動を強いられるブラジルに来て、強豪国やあるいはブラジルと互角以上の闘いをする。その姿は感動だ。ラグビー・ワールドカップで皆が感じた、泣けてくるほどの日本代表へのリスペクト。そうした最大級の賛辞に値するほどだ。
若年層の大会ゆえに露出はそれほどないし、大会の大きさから、気付きにくいかもしれないが、本当だ。
その反面、国内のJリーグ観戦で感じてしまったブラジル国内リーグとの差もまた真実だ。
改めて、僕は年末年始に日本を離れ、新年をサンパウロで迎え、「日本とブラジルを繋ぐ」仕事のひとつとしてソコホーSC U20の監督をやる。
ただ監督にもこの国は何が起こるか分からない。そんな責任が懸かる本気の時間を楽しめればと思う。
そしていつの日か、日本でJリーグを観戦しても、ブラジル国内リーグにも引けを取らないほどの興奮に包まれたスタジアムを見てみたい。
そんな日本サッカー文化の成功を感じる日を楽しみにしたい。必ずその日が来ると信じて!
2019年11月8日
三浦泰年