「コールとキャンベルに仲裁されて…」
些細なことではあるが、理不尽な扱いに我慢ができず、アンリに噛みついたベントナー。エキサイトした二人は、練習をそっちのけで、口論を続けたという。
「アンリはすぐに俺のところまでやってきて、ありとあらゆる言葉で怒鳴り散らしたんだ。でも、俺も引き下がれなくて、周りでゲームが続いているという事実を完全に無視して、言い合った。そしたら、アシュリー・コールとソル・キャンベルが仲裁して、『続けるぞ、ニクラス。黙って走れ』と言われたよ」
「アンリはすぐに俺のところまでやってきて、ありとあらゆる言葉で怒鳴り散らしたんだ。でも、俺も引き下がれなくて、周りでゲームが続いているという事実を完全に無視して、言い合った。そしたら、アシュリー・コールとソル・キャンベルが仲裁して、『続けるぞ、ニクラス。黙って走れ』と言われたよ」
その後、周囲の先輩たちの諭しに従い、「異常なまでに大人しくなった。そうするしかなかった」というベントナー。だが、エピソードはこれで終わりではなかった。
「練習後にアンリは俺のところにやってきた。そして、俺たちは、最初はロッカールーム、その後は選手用のラウンジで話し始めたんだ。正直、彼があんなに多くの言葉を知っているとは思わなかったけれど、本当に色々なことを話した。
自分が行きたいところに辿り着くために必要な全てに関する2時間の独演会さ。でも、俺にとっては名誉なことだった。彼の親切さだよ。それは、別にアンリがしなければいけなかったことではないからね。俺はその全てを吸収し、最後はお互いにハグして終わった」
アンリの言葉は、血気盛んなベントナーの心に響いたようだ。ただ数々の問題行動を起こし、ピッチ外で話題を集めることのほうが多かったその後のキャリアを考えると、“金言”が活かされたかどうかは疑問が残るが……。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部