出場を志願し、リベンジの機会を得た
得点が決まった直後。西川は仲間と喜びを分かち合うと、小さくガッツポーズ。待ち焦がれた瞬間を噛み締めた。ゴールへの想いは、自らPKキッカーに名乗りを上げたことからも伝わってくる。決めればハットトリックだった若月に直接話し、PKを蹴ることを直訴していたのだ。
「得点は絶対に取りたいと思っていました。大和が蹴りたいと言ってきたけど、自分が蹴って決めたいという想いが強かった」
10番としてのプライドはあるし、飛び級でU-20ワールドカップに出場した際の悔しさを胸に秘めている。そして、根っこの部分にあるのはFWとしての矜持だ。
「ホッとしましたね。得点を決めてなんぼなので、ゴールが奪えて良かった」
「得点は絶対に取りたいと思っていました。大和が蹴りたいと言ってきたけど、自分が蹴って決めたいという想いが強かった」
10番としてのプライドはあるし、飛び級でU-20ワールドカップに出場した際の悔しさを胸に秘めている。そして、根っこの部分にあるのはFWとしての矜持だ。
「ホッとしましたね。得点を決めてなんぼなので、ゴールが奪えて良かった」
西川にとって、最高のスタートを切ったのは間違いない。得点以外の場面でも身体を巧みに入れ、最前線で何度もボールを収めた。そのプレーが若月を生かしたのは確かだ。前半に迎えた決定機を逃したのは悔やまれるとはいえ、得点シーン以外でも存在感を放っていた。
U-20ワールドカップで結果を残せなかった男は、U-17ワールドカップの舞台にやってきた。上のカテゴリーに1度招集された経緯もあり、本来であればU-17代表でプレーしない可能性があったが、出場を志願。桐光学園の鈴木勝大監督や代表スタッフに自らの意思を伝え、リベンジの機会を得た。
そして、迎えた初戦。ひと回りもふた回りも逞しくなって帰ってきたことを、自ら証明した。だが、まだ1試合が終わっただけに過ぎない。
「U-20では本当に悔しい想いをしましたし、それを初戦でぶつけたいという気持ちがあった。うまくぶつけられましたけど、まだオランダ戦が終わっただけ。次の試合に向けてまた準備をして行きたい」
10番の視線の先にあるのはただひとつ。グループステージを突破し、ひとつでも上に行くこと――。西川の“逆襲”はまだ始まったばかりだ。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)