「専用でないといけない」理由とは?
スタジアムへのこだわりを語ったヴェンゲル氏は、「スポーツ、とりわけサッカーは社会的な責任を持っている」とし、「ファンをスタジアム内で教育する義務がある」と語り、サッカー専用のスタジアムを建設する際には、ファンの考えにも寄り添うべきだという持論を展開した。
「エミレーツ・スタジアムはハイバリーからそう遠くないところに建設したから、ファン離れが、少ないというメリットがあった。自分がサポーターだったとして、スタジアムは我が家のような場所であってほしいと思う。
ヨーロッパでは地域コミュニティーの一部であることが当たり前なんだ。アーセナルの場合でも、若い人向けのジムを作った。クラブのコーチが指導し、若者が集まってくるようになった。サポーター会員であることと、その地域に住んでいれば、タダで利用できるんだ」
エミレーツ・スタジアムは、ファンが利用しやすいよう、最寄りのアーセナル駅から徒歩10分圏内に建設された。さらに、スタジアムツアーの開催やクラブの歴史を知れる博物館の運営により、収益も上がっているという。
「エミレーツ・スタジアムはハイバリーからそう遠くないところに建設したから、ファン離れが、少ないというメリットがあった。自分がサポーターだったとして、スタジアムは我が家のような場所であってほしいと思う。
ヨーロッパでは地域コミュニティーの一部であることが当たり前なんだ。アーセナルの場合でも、若い人向けのジムを作った。クラブのコーチが指導し、若者が集まってくるようになった。サポーター会員であることと、その地域に住んでいれば、タダで利用できるんだ」
エミレーツ・スタジアムは、ファンが利用しやすいよう、最寄りのアーセナル駅から徒歩10分圏内に建設された。さらに、スタジアムツアーの開催やクラブの歴史を知れる博物館の運営により、収益も上がっているという。
ヴェンゲル氏は、「フットボールをプレーする場所は専用でないといけないと思う。スタジアムは人生の一部といっても過言ではないのだからね」と専用スタジアムへの想いを熱く語った。
「人生の一部となっているような場所に初めて行った時のことは、すべて覚えているものだ。それこそがスタジアムだ。帰っていけるホームでないといけないんだ」
日本にもサッカー専門スタジアムは増えている。だが、イングランドをはじめとする欧州に比べれば、まだまだ数が少ないのが現状だ。試合開催日以外の運営方法や収益性など越えなければならないハードルは小さくないとはいえ、ヴェンゲル氏の「スタジアム論」は、傾聴に値すると言えるのではないだろうか。
取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)