• トップ
  • ニュース一覧
  • モンゴル戦で機能したサイド攻撃から、サッリ監督が確立した「トータルゾーン」戦術の有効性について考えた

モンゴル戦で機能したサイド攻撃から、サッリ監督が確立した「トータルゾーン」戦術の有効性について考えた

カテゴリ:日本代表

熊崎敬

2019年10月11日

首振りは有効な守りの手段ではない…

敵の位置を一切無視。「トータルゾーン」戦術を確立したサッリ監督。(C)Getty Images

画像を見る

 首を振って背後の敵を確認しても、視線をボールに向けた瞬間には、敵の動きが見えなくなってしまう。例えば、4点目の永井のヘッド。モンゴルの選手は首を振って永井が背後にいることを確認したが、クロスが上がった瞬間、前に身体を入られ、ほとんどフリーでヘッドを決められてしまった。
 
 首振り確認をしたところで、直後の状況は大きく変わる。モンゴル戦に限らず、サッカーではこうした形で生まれるゴールが非常に多い。Jリーグでも日常的に見かける。
 
 首振りは、実は有効な守りの手段ではない。
 
 そのことに気づき、斬新な方法で解決しようとする指導者がいる。今季からセリエAのユベントスを率いるマウリツィオ・サッリ監督だ。
 
 彼はナポリ時代、敵の位置を一切無視し、ボールの位置だけで味方の守備位置を事細かに決める「トータルゾーン」と呼ばれる戦術を確立した。サッカーというスポーツは、ボールをゴールに入れさせなければ負けない。つまり、ボールが入ってくる道筋をしっかり閉めておけばいいという考え方だ。
 
 前述したように、この戦術はゴール前に入り込んでくる敵の動きを一切考慮していない。モンゴルがそうだったように、敵の動きを見ようとすることでボールへの集中力が散漫になり、また敵の動きに釣られることで不用意なスペースを開けてしまう恐れがあるからだ。
 
 サッリはこの戦術を浸透させ、ナポリで一大旋風を巻き起こした。圧倒的な戦力を誇るユベントスを追いつめ、しかもそのサッカーは「ヨーロッパ一美しい」と評された。
 
 この「トータルゾーン」について、私はイタリアの知人から学んでいるところだが、ともあれヨーロッパのサッカーは、私たち日本人の想像を超えて、恐ろしい速さで進化している。
 
 モンゴル戦できまったサイド攻撃を、逆に次は相手にきめられてしまうかもしれない。そうならないためにも、しっかりとアンテナを張っておきたいものだ。
 
 余裕がありすぎたモンゴル戦、そんなことをついつい試合中に考えた。
 
取材・文●熊崎敬(スポーツライター)

【PHOTO】日本×モンゴル戦を彩った「美女サポーター」たち

【日本代表PHOTO】長友佑都の代表10年ぶり弾など大量6ゴールで大勝!モンゴルを終始圧倒しアジア2次予選2連勝!

【日本代表笑顔 PHOTO】モンゴルに大勝!笑顔でサポーターの元へ!
【関連記事】
【モンゴル戦|動画&記事一覧】解説:セルジオ越後、釜本邦茂、金田喜稔、採点&寸評、プレー分析、各国メディアの評価、PHOTOギャラリーetc.
【セルジオ越後】「日本対モンゴル」みたいなセンスのない予選方式がアジアを弱小エリアにしている
【日本6-0モンゴル|採点&寸評】MOMは好調ぶり発揮のアタッカー。先発起用の伊東、永井、遠藤も猛アピール!
【日本代表】堂安律、久保建英よりも…いま右サイドに伊東純也を推す理由
【釜本邦茂】FIFAランク183位との試合に違和感はあるが…大勝のポイントは伊東純也のサイド攻撃だ

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ