移籍を望んだエースのモチベーションを失わせず…
実際、ホジソンは、この夏にトランスファーリクエストを提出したエースのウィルフリード・ザハを残留させ、しっかりと高いモチベーションを維持させ続けている。思った通りに事が運ばなかった時にやる気を失う選手が多いなか、ザハを戦力として機能させているのは、この老将の手腕によるところが大きいと言えるだろう。
ホジソンの振る舞いで特徴的なのは、好きなことを楽しんでいるように見える点だ。
ホジソンの振る舞いで特徴的なのは、好きなことを楽しんでいるように見える点だ。
彼は指導が大好きで、それを受けた選手たちも楽しんでいるように見える。今シーズン、クリスタル・パレスが、4位と上々のスタートを切れているのは、選手たちの奮闘もさることながら、このベテラン指揮官の人心掌握術のおかげと言えるだろう。
第9節からクリスタル・パレスは、マンチェスター・C、アーセナル、レスター、チェルシー、そして首位リバプールという強敵との5連戦が待っている。そういった試合でこの名伯楽がどんな指揮を振るうのか、日本のファンの方にも注目してほしい。
取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。