“フツー”の指揮官、ジネディーヌ・ジダンの偉大さ【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年10月05日

ジダンは権威、権力にひるむことが一切ない

 選手は、指導者のふるまいを注意深く見ている。批判に弱く脆く、すぐ疑心暗鬼になっておろおろする監督、逆に強権を振りかざす指揮官を決して尊敬しない。”我が身可愛さ“の利己的な行動にも、そっぽを向く。そして、二度と信じることはない。
チームは簡単に破滅に向かうのだ。

 しかし、ジダンは権威、権力にひるむことが一切ない。批判に強く、泰然とし、「私」よりも「公」を重んじる。そして好プレーする選手、ポテンシャルの高い選手をシンプルに評価し、適時に抜擢できるのだ。

<この監督の下、全力でプレーしよう!>

 フェアな環境を作ることができる指揮官に、選手は心酔する。

 ジダンは、「フツー」の監督である。しかし、当然のことを当然に行い、果敢に決断する。それ故に、偉大な監督なのである。

文●小宮良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
 
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