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「クラブのやり口は分かっている!」重鎮ピケのフロント批判で明るみに出た、バルサ内部分裂の真相【番記者レポート】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年10月03日

選手たちはフロントとの正面衝突も辞さない姿勢

残り任期が一年となったバルトメウ会長。もはやその求心力は…。(C)Getty Images

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 サッカー界には、こうして選手たちが権力を増長させたことで会長が苦境に立たされたケースは過去にもあった。近年では選手たちのモチベーションの低下がチームの低迷を招き、自らへの不信任動議(投票の結果、否決)に発展したバルサのジョアン・ラポルタ会長(08年)、「選手を甘やかしすぎた」という有名なセリフを残して一度辞任したレアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長(06年)が記憶に新しい。

 現在のジョゼップ・マリア・バルトメウ政権が異質なのは、選手たちがフロントとの正面衝突も辞さない姿勢を見せている点だ。

 この両者の対立の板挟みにあっているのが他でもないエルネスト・バルベルデ監督だ。このままでは忍耐強い彼すらも痺れを切らしたとしても不思議はない。

 本来、フロントと現場の橋渡し役を担うべき強化の最高責任者はペップ・セグラの辞任で空位となっており、現在は当のバルトメウ会長が暫定的に務めている。かねてからカルレス・プジョールにSD就任のオファーを出していたが、すでに断られている。
 
 フロントは主力が高齢化しているチームの現状を憂慮しており、指揮官には結果を要求するとともに、世代交代を促進させる采配を振るうようリクエストを出している。一方、選手たちはメディアを通して、「プロ意識が欠如し、高額のサラリーに見合ったパフォーマンスを提供していない」と非難されていることに不満を抱いている。

 全ての問題の根源は、フロントの威厳の欠如にある。バルトメウ会長は自らの考えを押し通す形でグリエーズマンの獲得に踏み切ったが、それがまた亀裂を大きくさせる結果となっている。その会長は、21年夏に任期が満了する。

 彼は勝利者としてクラブを去るとともに、自らが任命した新たな会長の元でのリオネル・メッシを中心とした新たなる常勝軍団の構築を目指している。しかし肝心のリーダーシップを発揮できておらず、このままでは求心力は低下するばかりだ。

 先行きは極めて不透明で、チームが試合に勝ち続けてその場を取り繕っていくことでしか展望は見えてこない。

文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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