油断大敵!親善試合とW杯アジア予選は別モノ。新旧代表の意識の共有が予選突破の鍵だ

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2019年09月06日

格下相手に「いつかは点が取れる」は危険

スコアレスに終わった前回大会初戦を経験している吉田。若手にアジア予選の難しさを伝えてほしい。写真:徳原隆元

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 ミャンマーとは54年ぶりに敵地で対戦することになるが、決して簡単なゲームにはならないだろう。ミャンマーは今、雨期で気温は30度前後だが、湿度が非常に高く、グラウンドは、県立カシマサッカースタジアムほど整ってはいない。東南アジア特有の草のピッチで、雨が降れば重馬場になる可能性が高い。そのようなピッチで、この日見せたような華麗なパスワークで打開していくのは難しいだろう。
 
 しかも、初戦である。前回、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が指揮を執っていた際、2次予選の初戦はホームでシンガポールを迎えた。岡崎慎司、香川真司、本田圭佑らを擁した日本は相手の必死な守りに苦戦し、結局スコアレスドローに終わった。この時、ワールドカップ・予選のスタートで格下相手に無得点に封じられ、このメンバーでもホームで勝てないのかという落胆した空気が漂い、同時に激しいブーイングが起きた。
 
 今回も絶対に勝たなければならないというプレッシャーがあるなかで、ミャンマーを相手に失点をゼロに抑え、勝点3を取らなければならない。だが、相手も日本相手にジャイアントキリングを起こそうと死にも狂いで戦うだろうし、ピッチコンディションなどの環境も影響して、苦戦を強いられる可能性は十分にある。ただ、そういった状況をはねのけて、勝っていかないと、カタール・ワールドカップでベスト8という目標はもちろん、最終予選で力のある相手がひしめく中、予選を突破することも難しくなる。
 
 日本は早い時間帯に先制点を奪うことができれば、落ち着いたゲーム運びができる。だが、チャンスを作れても点を奪えず、前半をスコアレスで折り返すことになると相手に勢いを与えることになる。
 
 また、格下相手に「いつかは点が取れる」と思っていると、その「いつか」に流され、結局は点が取れないままゲームが終わってしまうことがよくある。シンガポール戦が、まさにそうだったが、その空気に流されないことだ。
 
 親善試合とアジア予選はまったくの別モノ。
 
 前回のシンガポール戦を経験している吉田麻也や柴崎岳が、アジア予選を知らない中島、堂安、南野らにその難しさを伝え、同じ緊張感のなかで戦えるか。しっかりとネジを巻いてミャンマー戦に備え、勝点3を獲得して好スタートを切ってほしいと願う。
 
取材・文●佐藤俊(スポーツライター)

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