【セルジオ越後の天国と地獄】喜ばしいレッズ対ガンバの「決勝戦」

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年11月20日

今回の結果を一番喜んでいるのはザッケローニかな?

武藤を除く10人がブラジルW杯出場組だったホンジュラス戦のスタメン。「同窓会じゃないんだから」と越後氏。 (C) SOCCER DIGEST

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 11月シリーズの最初の試合で、日本はホンジュラスと戦った。吉田の先制点を皮切りに、本田、遠藤が決めて前半だけで3点のリードを奪い、後半は途中出場の乾が2ゴール、豊田も1ゴールを挙げて、6-0の大勝を収めたね。
 
 久しぶりにたくさんのゴールが生まれたゲームだった。ただし、ホンジュラスの出来が酷かったのは残念だったね。アギーレジャパンのこれまでの対戦相手と比べてみても、ブラジル・ワールドカップに出場したチームとは思えないほど、取るに足りない相手だった。
 
 言ってしまえば、ホンジュラスには「なにもなかった」。おそらくコンディションの問題もあるのだろうけど、身体のキレ、激しさ、戦術、技術……自分たちのミスから展開が途切れたりと、脅威に感じる部分は皆無だったし、メンバー交代するたびにボロボロになっていった印象だよ。
 
 それだけに、6点ではむしろ少ないほうで、少し無理をすれば10点取ってもおかしくなかったと思う。結果を出した乾に限らず、他にも決定的なチャンスはあったはず。大量得点を奪えた日本が良すぎたように見えたのは、ある意味、不自然な感じがしたけど、こういう試合に出られた選手は得したんじゃないかな。逆に言えば、ウルグアイ戦やブラジル戦の出場選手は損をしたのかもしれない。錯覚してはいけないよ。
 
 そもそも、ここにきてなぜこのメンバーだったのか。スタメンの11人中、実に10人がブラジル・ワールドカップのメンバーだった。「同窓会」じゃないんだから。これでは、今までの4試合はいったいなんだったのかと言いたくもなる。
 
 今回の結果を受けて一番喜んでいるのは、前任者のザッケローニじゃないのかな。アギーレは彼に対してロイヤリティーを払わなければいけないよね。
 
 最終的に、これでアギーレジャパンの顔ぶれが固まるようなことになれば、層が厚くなっていないのは明白だ。見慣れた選手たちを頼るしかないってことだし、若い世代はほぼすべて不合格ということになる。武藤より乾のほうが目立っていた? 新しいスターを作ろうとしているメディアからすれば、歯痒い内容だったと言えるかもしれないね。
 
 試合ごとの結果やその活躍ぶりで、短絡的に選手を祭り上げるのは危険だけど、今回のホンジュラス戦をもって、誰が良かったなどと探すことは、まったく意味がない。日本はみんな良かったかもしれないけど、相手はみんな悪かった。これほど分かりやすい構図はないよ。

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