16強進出を果たした今、目指すはその先の“筑波大超え”だ
法政大が最初に切った交代カードにも明確なメッセージが込められていた。
同点に追いつこうと攻撃のボリュームを上げてくるG大阪に対し、56分に投入されたMF紺野和也が「非常に厄介な存在」になっていたのだ。
来年のFC東京入りが内定している小柄なドリブラーは、カウンターの起点になったり、自ら持ち込んでシュートしたり、「相手が前に出ていこうとするところを、逆に抑えてくれた」と、長山監督はそのプレーぶりに目を細める。
やることなすことがスバリとハマっていく。
70分に左CKからCBの森岡陸が追加点を決め、法政大が勝利をほぼ決定づけた。そのくらい充実した内容で、意気消沈するG大阪に付け入るスキを与えなかった。
「自分がゴールを決められるとは思っていなかったけれど、とにかくニアに走り込みました。シュートは頭の後に肩に当たって入ったという感じです。身体ごと押し込みました(笑)。僕らは技術では劣るかもしれないけれど、気持ちでは負けていない。最後まで走りきることができました」(森岡)
絶対的エースの上田綺世が抜け(2021年の加入が内定していた鹿島アントラーズに今夏、前倒しで移籍)、“その後”が何かと注目されているが、天皇杯では初戦のブリオベッカ浦安、2回戦の東京ヴェルディに続き、ここでG大阪を破り、ベスト16入りを果たした。
「”上田がいないから勝てない”と言われたくないと、チームみんなのモチベーションが高い。選手それぞれが持ち味を発揮して、腰を引かずに戦ってくれました。自分たちが勝つことで、少しでも大学サッカーの存在感を高めていけたらと思っています。次も謙虚に、粘り強くやっていきたいです」(長山監督)
前々回大会で、筑波大がベスト16に進出しているが、目指すは“筑波大超え”。一体感を増すばかりの法政大だけに、決して夢物語ではないのではないか。
取材・文●小室功(オフィス・プリマベーラ)
編集部注
次節ラウンド16の対戦カードは、16日に行なわれる組み合わせ抽選会で決定される。
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