誰を起用するかで、大きく戦術は変わる
その点では山中亮輔に分がある。左足のシャープな振りから繰り出されるパワフルなシュートや、精密機械のように正確なクロスは、唯一無二。その大きな武器で7月31日の鹿島戦、8月4日の名古屋戦ではアシストという目に見える結果も残し、上り調子だ。
一方で宇賀神友弥も見逃せない。山中のように一芸に秀でているわけではないが、リスクマネジメントと機を見たオーバーラップとベテランの業が光る。攻守のトータルバランスを見れば、4人のうちでもっとも優れているかもしれない。
一方で宇賀神友弥も見逃せない。山中のように一芸に秀でているわけではないが、リスクマネジメントと機を見たオーバーラップとベテランの業が光る。攻守のトータルバランスを見れば、4人のうちでもっとも優れているかもしれない。
さらに、5節のFC東京戦や14節の川崎フロンターレ戦でチームを救った終了間際のゴールに象徴されるように、ここぞというとこで勝負強さを発揮する“持っている男”森脇良太を投入する手もあるだろう。それ以外にも気迫漲るプレーが好印象の荻原拓也や、ポジショニングが巧みな大卒ルーキー岩武克弥ら気鋭の若手も控えている。
こうした人材が揃うウイングバックは、そこに誰を起用するかで、大きく戦術は変わる。要するに、この起用法が大きく戦況を左右するということだ。
例えば攻撃的にいくなら、名古屋戦の後半のように関根を右に、山中を左に配置してスタートする手もあるし、リード時に逃げ切りを優先するなら宇賀神と橋岡のセットか。これまでは多くなかったが、クロッサー山中と空中戦に強い橋岡を組ませるのも、面白いだろう。
果たして大槻監督はどんなチョイスをするのか。その手腕が問われそうだ。
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取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)