「”そこ”で違いを生み出せる選手になりたい」
なにより終盤の馬力が素晴らしい。90+5分では「走り切れるかどうかの体力」しか残っていない極限の疲労状態にもかかわらず、自陣ペナルティエリアでパスをカットすると、そのままグングンと突き進んでいき、最後のビッグチャンスにつなげている。相手ふたりを振り払っていったドリブルには、鬼気迫るものがあった。
「ゴールを決めた瞬間も、最後のカウンターの時もいけちゃう感じが自分の中で芽生えたのは、サポーターの声援があったから。目に見えないですけど、僕にとってはそういう力はすごく大きいんです」
「ゴールを決めた瞬間も、最後のカウンターの時もいけちゃう感じが自分の中で芽生えたのは、サポーターの声援があったから。目に見えないですけど、僕にとってはそういう力はすごく大きいんです」
そうはにかんだ24歳のドリブラーはさらに言う。
「最後までピッチに立っていないと、ああいうプレーって出せない。極限のところだと思うけど、その大事さは感じましたね。90分間走り切ることによって、ひとつふたつチャンスが増える。そこで違いを生み出せる選手になりたい」
チームの得点数は21節終了時点でリーグ5番目に少ない21点。なかなか「勝点1を3にできない」(大槻毅監督)一因が攻撃力不足にあるのは明らかだ。そんな貧打に喘ぐチームを必ず浮上させてくれるはず――試合終盤になっても積極果敢に仕掛けてチームに推進力をもたらす”切り込み隊長”関根には、そう思わせる期待感がある。
【浦和 2-2 名古屋 PHOTO】土壇場の関根弾で追いつきドロー決着。試合前には優しさ溢れる槙野をキャッチ!
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)