懐疑論者を黙らせた久保建英のデビュー戦。それでも「新シーズンはBチーム」と予想する根拠と懸念

カテゴリ:海外日本人

吉田治良

2019年07月22日

久保は力を示したが、それでも新シーズンの主戦場は「カスティージャ」になるだろう

 マドリーが現時点のベストメンバーで臨んだ前半、もしイスコではなく久保をインサイドハーフで使っていたら──と、そんな想像も膨らむ。この日は明らかに球離れが悪く、それでいて強引さが目立ったイスコ。ルカ・モドリッチと久保のコンビなら、もっと攻撃のテンポは上がったのではないだろうか。
 
 とはいえ、プレシーズンマッチ1試合のパフォーマンスをもって、「久保をトップチームでプレーさせるべきだ」と、乱暴なことを言うつもりはない。
 
 組み立てや崩しの局面で違いを作り出した久保だが、フィニッシュに絡むシーンはほとんどなかったし、ゴールやアシストといった目に見える結果を出したわけでもない。
 
 現時点では、あくまでもセカンドチームの中で「上手いなぁ」と思えるプレーヤーの一人に過ぎない。控え組で構成されたバイエルン戦の後半に、それこそ圧倒的な存在感、異次元のレベルを示せないようでは、マドリーのトップチームに名を連ねることなど不可能なのだ。
 

 久保に関する最近の報道が、あながち大げさに脚色されたものではなかったのだと、バイエルン戦の45分間で確認はできた。それでも、今後のプレシーズンマッチでよほどの活躍を示さないかぎり、久保の新シーズンの主戦場は当初の予定通り、Bチームの「カスティージャ」になるだろう。
 
 確かに久保は、バイエルン戦の45分間限定では、イスコに取って代わりうる可能性を秘めた逸材にも映った。しかし、このインサイドハーフのポジションにはドイツ代表のトニ・クロースもいれば(カゼミーロ不在のバイエルン戦ではアンカーに入った)、ウルグアイ代表のフェデリコ・バルベルデ(20歳)、スペイン代表のダニ・セバージョス(22歳)のような若手逸材も控えている。彼らを飛び越えてポジション争いに加わるのは、かなり難易度の高いミッションに違いない。昨シーズンのマドリーで十分な出番を得られなかったセバージョスは、アーセナルへのレンタル移籍が秒読み段階とも言われているが、その一方では、ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)、クリスティアン・エリクセン(トッテナム・ホットスパー)、ドニー・ファン・デベーク(アヤックス・アムステルダム)といった実力者の獲得が噂されてもいる。そうなれば、なおさらトップチーム昇格の道は狭まるだろう。
 

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