増山朝陽――インターハイは、その名を発信する『発表会』の場に。
これまでまったくと言っていいほど無名だった男が、瞬く間に全国区の存在になった。
山梨インターハイはまさに『増山朝陽』という名を、強烈なインパクトとともに、全国に知らしめる『発表会』となった。大津との決勝戦。背番号7がボールを持つたびにスタンドからは「おおっ!!」というどよめきが起こった。
「すごく気持ち良かった。もっともっと、どよめいてほしいと思った」
ボールを持ったら迷わず仕掛け、スピードとキレのあるフェイントで一気に相手DFをぶち抜くと、ゴール前へ正確なライナーのクロスを供給する。その迫力は延長戦に入っても衰えなかった。延長前半早々に、左タッチラインに出そうなボールにトップスピードで追いついてボールを前に出すと、そのままピッチ外の陸上トラックでさらに加速し、ボールに追いついてドリブルでサイドをえぐっていった。延長後半アディショナルタイムには、今大会のラストゴールを、鮮やかなハーフボレーで沈めてみせた。
『増山朝陽発表会』にふさわしいフィナーレだった。このインパクトはプロのスカウトたちを大きく動かし、増山に興味を示すクラブは一気に増えた。
Jクラブによる争奪戦が繰り広げられるまでになった増山だが、前述したようにこれまでは全く無名の存在だった。福岡県出身のスピードスターは、「全国制覇したくて、地元であれば、東福岡しかない」と、迷わず全国屈指の強豪を選んだ。
部員は200人以上の大所帯。入学当時から主軸だった中島賢星とは違い、増山は一番下からのスタートだった。それでも、「やるべきことをやっていれば、どこにいても通用すると常に思っていた」と、光り輝く同級生の存在に焦ることなく、練習に汗を流し続けた。
山梨インターハイはまさに『増山朝陽』という名を、強烈なインパクトとともに、全国に知らしめる『発表会』となった。大津との決勝戦。背番号7がボールを持つたびにスタンドからは「おおっ!!」というどよめきが起こった。
「すごく気持ち良かった。もっともっと、どよめいてほしいと思った」
ボールを持ったら迷わず仕掛け、スピードとキレのあるフェイントで一気に相手DFをぶち抜くと、ゴール前へ正確なライナーのクロスを供給する。その迫力は延長戦に入っても衰えなかった。延長前半早々に、左タッチラインに出そうなボールにトップスピードで追いついてボールを前に出すと、そのままピッチ外の陸上トラックでさらに加速し、ボールに追いついてドリブルでサイドをえぐっていった。延長後半アディショナルタイムには、今大会のラストゴールを、鮮やかなハーフボレーで沈めてみせた。
『増山朝陽発表会』にふさわしいフィナーレだった。このインパクトはプロのスカウトたちを大きく動かし、増山に興味を示すクラブは一気に増えた。
Jクラブによる争奪戦が繰り広げられるまでになった増山だが、前述したようにこれまでは全く無名の存在だった。福岡県出身のスピードスターは、「全国制覇したくて、地元であれば、東福岡しかない」と、迷わず全国屈指の強豪を選んだ。
部員は200人以上の大所帯。入学当時から主軸だった中島賢星とは違い、増山は一番下からのスタートだった。それでも、「やるべきことをやっていれば、どこにいても通用すると常に思っていた」と、光り輝く同級生の存在に焦ることなく、練習に汗を流し続けた。
そして、3年になってついに自分の「居場所」を手にする。東福岡の攻撃サッカーの軸となる両ワイドアタッカー。サイドからじっくり磨き上げた自慢の高速ドリブルと、強烈なキックを駆使し、たちまちチームに無くてはならない存在になった。
山梨インターハイはこれまでの思いを爆発させた大会だった。しかし、まだ選手権が残っている。もう一度福岡を突破し、全国の舞台でより多くのどよめきを得ることを欲している。
「選手権は3年間の集大成。それにインターハイより、お客さんが多いので、もっとどよめいてもらいたいです」
より怖い選手に。全国区となった増山朝陽のモチベーションは尽きることはない。
■プロフィール
増山朝陽(ますやま・あさひ)/1997年1月27日生まれ、福岡県出身。179センチ・72キロ。福岡板付中-東福岡高。ずば抜けた身体能力で相手DFを引きちぎる高速ドリブルが魅力。インターハイでの大活躍で複数のJクラブが注目するに至ったシンデレラボーイ。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
インタビュー写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)
山梨インターハイはこれまでの思いを爆発させた大会だった。しかし、まだ選手権が残っている。もう一度福岡を突破し、全国の舞台でより多くのどよめきを得ることを欲している。
「選手権は3年間の集大成。それにインターハイより、お客さんが多いので、もっとどよめいてもらいたいです」
より怖い選手に。全国区となった増山朝陽のモチベーションは尽きることはない。
■プロフィール
増山朝陽(ますやま・あさひ)/1997年1月27日生まれ、福岡県出身。179センチ・72キロ。福岡板付中-東福岡高。ずば抜けた身体能力で相手DFを引きちぎる高速ドリブルが魅力。インターハイでの大活躍で複数のJクラブが注目するに至ったシンデレラボーイ。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
インタビュー写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)