ラウールの親身な指導が必ずやプラスになる
久保のマドリー入りのニュースはスペインでも大きく取り上げられた。わたしが所属する『アス』も、競合紙の『マルカ』も一面で扱ったほどだ。もしマドリー入団の公式発表が、マルク・ガソルとサージ・イバカ(ともにバスケットボールのスペイン代表選手)が所属するトロント・ラプターズのNBA初優勝が決まった翌日でなければ、もっとページを割いて取り上げられていただろう。
過去にカスティージャ(久保が1年目に所属するマドリーBの名称)の新加入選手がここまで話題になったことはない。既述のように、日本人選手という希少性とバルサから強奪したというストーリー性が人々の関心を集めている理由だ。
いまから4年前、FIFAの裁定により久保がバルサ退団を余儀なくされたときも大々的に報じられた。その選手がときを経て、今度はマドリーの選手としてスペインに再上陸するのだ。バルサ絡みのモルボ(=因縁)が大好物のマドリディスタ(マドリーのファン)が、こんな愉快な話に飛びつかないわけがない。
それでは、なぜ久保は移籍先にマドリーを選んだのか。その理由としてはまず待遇面が挙げられる。
日本では久保が受け取る100万ユーロ(約1憶2000万円)という年俸が話題になっているようだが、マドリーには将来有望なカンテラの選手に十分以上のサラリーを払うという方針がある。最近で言えばボルハ・マジョラル、マリアーノ・ディアスの両FWに、トップチームに昇格する前から手取りで100万ユーロを超える年俸を支払っていた。また来季、久保とともにカスティージャの攻撃を牽引する存在と目されるセサル・ヘラベルトは、フベニール時代から50万ユーロ(約6000万円)を受け取っていた。
バルサが拒み、マドリーが飲んだ100万ユーロという久保のサラリーは、ほぼ間違いなく来季のカスティージャにおける最高額だ。それでもエース格の選手に支払う年俸としては、決して法外ではない。
過去にカスティージャ(久保が1年目に所属するマドリーBの名称)の新加入選手がここまで話題になったことはない。既述のように、日本人選手という希少性とバルサから強奪したというストーリー性が人々の関心を集めている理由だ。
いまから4年前、FIFAの裁定により久保がバルサ退団を余儀なくされたときも大々的に報じられた。その選手がときを経て、今度はマドリーの選手としてスペインに再上陸するのだ。バルサ絡みのモルボ(=因縁)が大好物のマドリディスタ(マドリーのファン)が、こんな愉快な話に飛びつかないわけがない。
それでは、なぜ久保は移籍先にマドリーを選んだのか。その理由としてはまず待遇面が挙げられる。
日本では久保が受け取る100万ユーロ(約1憶2000万円)という年俸が話題になっているようだが、マドリーには将来有望なカンテラの選手に十分以上のサラリーを払うという方針がある。最近で言えばボルハ・マジョラル、マリアーノ・ディアスの両FWに、トップチームに昇格する前から手取りで100万ユーロを超える年俸を支払っていた。また来季、久保とともにカスティージャの攻撃を牽引する存在と目されるセサル・ヘラベルトは、フベニール時代から50万ユーロ(約6000万円)を受け取っていた。
バルサが拒み、マドリーが飲んだ100万ユーロという久保のサラリーは、ほぼ間違いなく来季のカスティージャにおける最高額だ。それでもエース格の選手に支払う年俸としては、決して法外ではない。
マドリーがバルサとは異なり、2年目にはトップチームに昇格させると確約したことも大きな決め手となった。そもそもマドリーは、カスティージャに在籍する期間を原則1年と定めている。それ以上留めておくと、選手の成長速度が鈍化しかねないからだ。とりわけ久保のような才能のある選手は、カスティージャで1年プレーさせた後、1部のクラブにレンタルに出して経験を積ませる方針をとっている。
久保にとって頼もしいのが、新シーズンからカスティージャで指導にあたるラウール・ゴンサレス監督の存在だ。現役時代のラウールは17歳でトップチームにデビューし、10代から第一線で活躍した。そうした自らの経験をもとに若い選手たちに適切な指導を行なっており、ピッチを離れてもサポートを惜しまない。2018-19シーズンは3月からカデーテB(U-15)とフベニールB(U-18)の監督を兼任したが、両親の離婚や学業不振などピッチ外の問題で思い悩む選手たちに寄り添い、励まし、そして学業も疎かにしてはいけないと背中を押しつづけた。
ラウールの親身な指導が久保にとっても必ずプラスになると、クラブ関係者はそう考えている。カスティージャが戦う2部B(実質3部)特有の激しいプレーに最初は戸惑うはずで、また生活環境もバルセロナとマドリードでは異なる。そうした環境に適応するうえでも、ラウールは大きな支えになるはずだ。
久保にとって頼もしいのが、新シーズンからカスティージャで指導にあたるラウール・ゴンサレス監督の存在だ。現役時代のラウールは17歳でトップチームにデビューし、10代から第一線で活躍した。そうした自らの経験をもとに若い選手たちに適切な指導を行なっており、ピッチを離れてもサポートを惜しまない。2018-19シーズンは3月からカデーテB(U-15)とフベニールB(U-18)の監督を兼任したが、両親の離婚や学業不振などピッチ外の問題で思い悩む選手たちに寄り添い、励まし、そして学業も疎かにしてはいけないと背中を押しつづけた。
ラウールの親身な指導が久保にとっても必ずプラスになると、クラブ関係者はそう考えている。カスティージャが戦う2部B(実質3部)特有の激しいプレーに最初は戸惑うはずで、また生活環境もバルセロナとマドリードでは異なる。そうした環境に適応するうえでも、ラウールは大きな支えになるはずだ。