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「日本、辛うじて」「後半は眠り込んだ」なでしこのスコットランド戦勝利を、仏紙はどう見たか?【現地発】

カテゴリ:日本代表

結城麻里

2019年06月17日

「優位にあぐらをかいて眠り込んだ」

熊谷(左)と鮫島(右)には、ベテランとしてよりいっそうの奮起が期待されている。 (C) REUTERS/AFLO

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 そしてその称賛は、選手交代時にも及んだ。

「ナデシコは本当に奥ゆかしい。ピッチを出るときはピッチを振り返って一礼します。この謙虚さは本当にすごいです。日本全体がそうなんですよ。福島の悲劇の後も、日本女子フットボールが喜びをもたらしたのです」

 終盤にスコットランドが「本格的な反乱」を起こし始め、実況のアナウンサーが「日本に疑念が出ていますかね」と訊ねた際もプレヴォさんは「ノン、疑念はもっていません。嵐が過ぎるのを待っているんです」と断言した。

 しかし、なでしこが88分にパスミスを発端に失点を喫する。この時はさすがに「完全にアシストですよ!」と叫び、ズルズル押された終盤戦況については「鮫島(彩)にもサキにも経験があるのだから、それを十分に発揮しないのは残念です。次のイングランド戦が見ものです」と苦言を呈した。

 事実、そんな熱を帯びた実況席に反して、スタジオでは意見が分かれていた。

 ハーフタイムにスタジオで解説を担当していた、OGのアリーヌ・リエラさんがコメントを求められると、「パスクオリティーもモビリティーもよく、日本は3-0で試合に決着をつけていてもおかしくなかった」となでしこジャパンを好意的に分析。

 だが、現役選手のシガ・タンディアさんは対照的に、「(日本が)世界王者になれるとは思えなかった。もっともスコットランドのアタッカーも、いいと聞いていたけどそうは見えなかった」と辛口で批評したのだ。

 試合終了後は「日本がここから本当に上っていくのか、そこが見もの。まだかなり丹念な仕上げが必要そうだ」の見解で一致していた。

 一夜明けた15日付全国紙『L’EQUIPE』はと言えば、「日本、辛うじて安堵」と、やはり厳しい見出しがついた。

 記事も真っ先に、日本の「2つの顔」を強調。

「リズムと支配で格上ぶりを見せた前半に対し、終盤は優位にあぐらをかいて眠り込み、スコットランドに反乱を許した。イングランド相手におそらくグループD首位を争うことになるが、日本女子が衰退していないことを示すには、少なくとも昨日の前半戦のレベルを発揮する必要があるだろう」

 失点に繋がった「市瀬(菜々)のプレゼント」ばかりか、「清水(梨沙)の疑惑のハンド」も見逃さずに記述し、採点で「7」の高採点を得たのは岩渕のみだった。

 とはいえ、スコットランド戦の中継前半には、実況アナから「やはりフットボール大国ですね!」の声も飛び出した。

 日本女子に厳しい目が注がれるのも、「大国」と見られているからだ。グループステージ第3戦、日本の「本当の顔」を見せる時がすぐそこまで来ている。

文●結城麻里
text by Marie YUUKI
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