【セルジオ越後】機能しない3バックをなぜ続けた?采配は疑問だし、選手も無策だった

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2019年06月05日

柴崎はミドルを打っていた? 守田は? システムに忠実に動いているだけでは進歩はないよ。

中島はミドルで果敢にゴールを狙ったが、堂安はほとんどチャンスに絡めなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 中島もサイドから仕掛けてチャンスメイクをするのは得意だけど、トリニダード・トバゴ戦はその仕事を任されていなかった。3バックを採用したことで、外で仕掛ける役割を長友が担当し、中島は中央に入っていたよね。だから、中島は崩し切る前にミドルシュートを打つしか選択肢がなかったんだ。あれは、役割分担が間違っていたよ。
 
 この試合を見る限りでは、アジアカップからの成長は感じられないよね。選手はほとんど変わらず、似たようなサッカーをして、相変わらず引いた相手を崩せなかった。これが、森保ジャパンの現状なんだ。
 
 3バックの採用についても、疑問は残ったね。トリニダード・トバゴ戦では、両サイドが上がりっぱなしで攻めたのに、まるで機能しなかった。しかも、酒井も長友も途中交代。攻めるために置いたポジションの選手がいずれも交代しているというのが、3バックの成否を物語っているよ。
 
 あれだけうまくいかなかったんだから、途中で工夫するなりすればよかったのにね。上手くいかないのにずっとやり続けるって、非効率すぎるよ。プロ選手だったら、自分の判断で何かしら変化を与えないと。

 例えば、ボランチがもっと前に出て攻撃参加できるように、前線にスペースを作るとかね。両サイドの長友と酒井が高い位置を取るから、それにともなって中島と堂安が中央に入ってしまう。そうすると中央のスペースがなくなって、ボランチは外からパスを出すだけになっていた。柴崎はミドルシュートを打っていた? 守田は? システムに忠実に動いているだけでは進歩はないよ。
 
 久保に注目が集まってチケットが完売したのは、協会としては万々歳だろうね。中継しているTV局も、スタンドにいる久保のアップを映していた。みんな騒いでいるけど、本当に実力があれば、試合に出ているよ。周りがスターを作ろうとしても、肝心の監督はまだ認めていないんだ。日本は騒ぎすぎだよね。「18歳になったから海外に行ける」なんてニュースも出ている。しかも、錚々たるクラブが欲しがっているっていうね。そんな選手がベンチ外というのは、どう説明するのかな。
 
 こんな試合内容でお客さんが誰ひとり席を立たないんだから、日本のファンは優しいよ。サッカーどころだったら、後半の30分も過ぎたらスタンドの半分くらいは空席になっていただろう。
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