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浦和vs.湘南の誤審騒動を経て「判定の可視化」の議論は新たな局面へ!? ゴールネットの網目やモノの置き場にも一考の余地あり?

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始

2019年05月21日

「全試合にVARを導入するにはビデオ・アシスタント・レフェリーの人数が不足しています」

2点のビハインドを跳ね返し勝利を掴み取った湘南。それでも、ノーゴールの判定には到底納得がいかないだろう。写真:滝川敏之

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 VARについては今季ルヴァンカップのプライムステージ以降と、J1・J2入れ替え戦の13試合で試験的に採用されることになっている。
 
 その導入に向けた進捗状況は、「DAZN」で毎週末の試合で起きた判定について議論する「Jリーグジャッジリプレイ」で何度か議論され、JFA審判委員会が見解を示している。
 
 基本的にJリーグでは、VAR導入を前提に準備を進めている。JFA審判委員会のレイモンド・オリバー副委員長は「ゴールラインテクノロジーのみを導入するとなると、それだけで高額な費用がかかる。VARはゴールラインテクノロジー以上に、見えない部分も把握できて、他の選択肢も可視化できる。PKなのか、レッドカードなのか、オフサイドなのか、ゴールなのか。ゴールラインテクノロジーよりもVARは様々な選択肢を得ることができる」と説明していた。
 
 ただし、VAR導入には課題も多い。
 
「全試合にVARを導入するにはビデオ・アシスタント・レフェリーの人数が不足しています」と審判員の確保が当面の課題であることを挙げていた。また、国際的なルールを決める国際サッカー評議会(IFAB)の承認を得なければならず、そのあたりで利害も絡んでくる(ゴールラインテクノロジーにも言えることだが)。さらに公平性を保つため、VAR導入は、シーズン開幕から一斉でなければいけない点も強調されていた。
 
 今回の浦和対湘南戦を現地で観戦していた村井満チェアマンには、来季Jリーグの開幕時にVAR導入を間に合わせるのか、それを前提に準備に入るのか。それともゴールラインテクノロジーや、それに代わるものを導入するのか、決断が迫られる。
 
ただ、今回の「ネットが揺れたかどうか」という点だけに目を向けると、比較的容易な対策の余地はまだ残されているかもしれない。浦和の主催試合のゴールネットは白に赤のカラーリングが施されて網目は四角になっているが、近年は六角形の網目が主流で、確認しただけでも鹿島、FC東京、川崎、横浜などがこれを採用していた。ネット全体が揺れて、どこかにボールが収まればネット全体が揺れて“決まった感”をより演出する。
 
FC東京主催の味スタのネットも、昨季まで長方形が斜めに並ぶデザインだったが、今季から六角形になっている。ただ、例えば長谷部誠の所属するフランクフルトも浦和と同じ四角形の網目で(白一色)、ルール上はこれでも特に問題はない。しかし、これも利権などが関わってきそうだが、網目の形状はJリーグで統一するというのもひとつの手だ。
 
 また、Jリーグではゴールネット付近に、ペットボトルやタオルが散らばって置かれているが、欧州ではネット付近に一切物を置いていないリーグのほうが多い。むしろ認めているほうが稀だ。
 
 観客や記者、テレビでの観戦にはそれほど気にならないが、審判にはそういったペットボトルやタオルは実は面倒な存在であるのではないか。なかには、サイドネット付近に大量のペットボトルが置かれているチームもあった。一瞬、そこに意識が持っていかれることは感じた。ゴールラインを割ったかどうか判断すべき位置に、そういったモノがあるのは、審判泣かせではあるか。
 
 もちろん高温多湿な日本での試合に給水は不可欠だ。それが今回のような誤審とかかわってくるのかどうかは、なんとも言えない。それでも一度考える機会にしてもいいか。
 
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