「まるで高卒選手と同じ扱いを…」開幕ベンチ外の仙台ボランチが殊勲の逆転AT弾を決めるまで

カテゴリ:Jリーグ

小林健志

2019年05月13日

昨季神戸では9試合の出場にとどまり「試合をすると足にきて…」

土壇場で飛び出した松下の逆転弾。トラップからターン、シュートまで素早い動作でゴールを陥れた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 しかし松下は諦めなかった。「ああいう経験があって気持ちを切らさずやり続けたことが、今につながっています。チームとしてやりたいことを掴んできました」と仙台のスタイルを必死に理解し、そしてその中で精度の高いパスという自らの持ち味を出せるようになった。「根気良く、コーチ陣も含めていろいろと彼にアドバイスしてきましたし、彼自身も何とか改善しよう、あるいはそれでも自分の良さをしっかり出そうというようなことをやり続けてくれました」と渡邉監督は松下の努力を認めていた。
 
「その中で、4-4-2になったタイミングと、彼が上がってきたタイミングが一緒なので、すべてがイコールとは思いませんが、なんらかの要因がそこにはあるのかなと思います」と渡邉監督は付け加え、神戸でも慣れ親しんだ布陣に変わったことも松下にとって追い風となった。
 
 もうひとつ、松下を苦しめた要因となったのは、コンディションだ。昨シーズン神戸ではリーグ戦9試合の出場にとどまったこともあり、「昨年公式戦にほとんど出られず、ゲーム勘・体力が戻っておらず、試合をすると足にきて、つりかけることもありました」と加入当初を振り返る松下。そうしたなか、「アフターでもジャンプしたりスプリントしたりやっている中で、フィジカルコーチがつきっきりで彼のことをいじめていますが、それも彼のパフォーマンス向上につながっているのかなと思います」と渡邉監督が語る通り、今季加入したイ・チャンヨブフィジカルコーチが練習後に特別メニューを課したのだ。
 
「つきっきりで、まるで高卒選手と同じ扱いを受けました」と振り返る松下は、照山颯人や田中渉といった高卒ルーキーと同じようなハードなフィジカルメニューを課されたのだった。「僕だけのメニューを作ってもらったのですが、それも今となってはありがたいです」。キャンプ中から身体をいじめ抜いたことで、ようやく高いパフォーマンスを出せるコンディションが戻ったことも大きい。
 

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