東京五輪が開かれる前のシーズンに──
さらに言えば、今季のFC東京はここまでドラマチックな試合が多い。例えば、引き分け濃厚と思われた鳥栖戦(3節)は88分にオウンゴールでリードを奪うと、90+3分には久保のアシストから新戦力のジャエルが追加点と最終的に突き放した。
また6節の清水戦は、後半開始直後に先手を取られながらも75分にディエゴ・オリヴェイラのクロスにナ・サンホが左足で合わせたシュートで同点。86分にはジャエルとの素晴らしいコンビネーションで抜け出たD・オリヴェイラが美しいループシュートで逆転弾と、これまた終盤で勝負を決めている。土壇場のゴールで歓喜を呼び込む彼らの戦いぶりは、ある意味、94年ワールドカップのイタリア代表を想起させるものだ。
94年のイタリア代表と今季のFC東京を重ね合わせることに違和感を覚える方もいるだろうが、いずれにしても今季のFC東京は勝負強い。個人的にここまでのベストゲームは、4節の名古屋戦。鉄壁の守備網を築きつつ、文字通りのファストブレイクから1点をもぎ取り、そのまま逃げ切る。狙い通りの戦い方で“ウノゼロ”(1-0)を完遂させたところにイタリア的なエッセンスを感じるのは、はたして私だけだろうか。
手堅いうえに勝負強い今のFC東京には確かな勢いがある。ただ、大会途中から勢いがあった94年のイタリア代表も、ワールドカップ決勝ではブラジルにPK負けを喫した。最後はエースのR・バッジョがPKを外すというドラマチックな展開で……。その戦いぶりは感動的だったものの、すんでのところで優勝を逃がしたイタリア代表を悲劇の主人公と捉えるメディアも少なくなかった。
願わくは、FC東京には彼らと違う結末、そう、ハッピーエンドを迎えてもらいたい。東京五輪が開かれる前のシーズンに、首都クラブが念願のリーグ制覇──。それを実現できれば伝説として語り継がれる。
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
また6節の清水戦は、後半開始直後に先手を取られながらも75分にディエゴ・オリヴェイラのクロスにナ・サンホが左足で合わせたシュートで同点。86分にはジャエルとの素晴らしいコンビネーションで抜け出たD・オリヴェイラが美しいループシュートで逆転弾と、これまた終盤で勝負を決めている。土壇場のゴールで歓喜を呼び込む彼らの戦いぶりは、ある意味、94年ワールドカップのイタリア代表を想起させるものだ。
94年のイタリア代表と今季のFC東京を重ね合わせることに違和感を覚える方もいるだろうが、いずれにしても今季のFC東京は勝負強い。個人的にここまでのベストゲームは、4節の名古屋戦。鉄壁の守備網を築きつつ、文字通りのファストブレイクから1点をもぎ取り、そのまま逃げ切る。狙い通りの戦い方で“ウノゼロ”(1-0)を完遂させたところにイタリア的なエッセンスを感じるのは、はたして私だけだろうか。
手堅いうえに勝負強い今のFC東京には確かな勢いがある。ただ、大会途中から勢いがあった94年のイタリア代表も、ワールドカップ決勝ではブラジルにPK負けを喫した。最後はエースのR・バッジョがPKを外すというドラマチックな展開で……。その戦いぶりは感動的だったものの、すんでのところで優勝を逃がしたイタリア代表を悲劇の主人公と捉えるメディアも少なくなかった。
願わくは、FC東京には彼らと違う結末、そう、ハッピーエンドを迎えてもらいたい。東京五輪が開かれる前のシーズンに、首都クラブが念願のリーグ制覇──。それを実現できれば伝説として語り継がれる。
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)