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キーパーソンはカズだった――「セリエAダイジェスト」からネット配信までサッカーメディアの30年

カテゴリ:日本代表

加部 究

2019年04月30日

この30年で「外タレ」は日本代表の対戦相手ではなく、“日本代表選手”に

香川ら海外で活躍する選手が主流となった現在の日本代表。「外タレ」の意味もこの30年で変わったようだ。(C) SOCCER DIGEST

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 さらに21世紀に入ると、インターネットの普及でサッカーを取り巻く状況も一変した。情報網が広がり、金の卵はどこにいても映像を入手しコンタクトが可能になった。まだ昭和は、日本に限らず大陸間の移籍が珍しい時代だったが、平成に入りボスマン判決を経て、事実上外国人枠は取り払われ、地球全体で選手の往来が活発になった。
 
 おそらく昭和にも欧州のクラブでプロになれる実力者は存在した。例えば金田喜稔は、欧州の強豪クラブとの対戦で必ず1対1を制し、局面の勝負ながらファンは留飲を下げた。実際に合宿参加した1FCケルンでは、多くの選手たちに請われて独特のフェイントを伝授してきたという。ただしまだアマチュア時代の日本選手たちには、プロの最高峰はあまりに遠過ぎて、そこで活躍するイメージが描けなかった。
 
 そんな時代には、ファンも日本代表の対戦相手になる「外タレ」のプレーを楽しみにスタジアムに足を運んだものだが、平成で代表戦の主役は完全に入れ替わった。3度のワールドカップ16強の実績は着実に日本選手の評価を高め、今年アジアカップ決勝のスタメンは、ついに海外組が独占した。要するに日本代表選手が国内では滅多に拝めない「外タレ」になったので、対戦相手がどんなに弱小国でも、満員の大観衆が貴重な凱旋試合に心を躍らせるようになるのだった。
 
 平成の31年間で、ファンも色分けされた。「スカパー!」が誕生し「ダ・ゾーン」の登場で、かつてエンゲルスがいくら探しても見つからなかった中継は洪水のように押し寄せ、フォロー出来ない重要な試合は消えた。こうしてコアなファンが当然のようにトップシーンを満喫する一方で、贔屓のJクラブを熱烈に支援する層も定着した。両者は重なり合い、日本代表戦の熱狂を生み出す。もちろん斯界を探れば旧態依然の課題も内包している。しかしそれでも文化は、急ピッチで根を張っている。
 
文●加部 究(スポーツライター)
 
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