絶望の淵から彼を救ったものは?
16歳で才能を見出され、有望株として欧州に渡ったことで、皮肉にも家族を狂わせてしまったアデバヨール。そんな彼は思い悩んで末に、当時、住んでいたアパートの下に備わっていたドラッグストアへ足を向けていたという。
「僕はお店に入って、ありとあらゆる錠剤の入った薬を次々と買い込んでいた。店は売りたくないようだったけど、『トーゴでのチャリティー活動のためだ』と言ってごまかした。そして、全てを準備して、僕は水の入ったボトルを一気に飲み干した。死ぬための用意はできていた……」
しかし、最後の最後で、彼を絶望の淵から救い出したのは、直前に電話した親友との一本の電話だった。アデバヨールはこう振り返っている。
「僕はお店に入って、ありとあらゆる錠剤の入った薬を次々と買い込んでいた。店は売りたくないようだったけど、『トーゴでのチャリティー活動のためだ』と言ってごまかした。そして、全てを準備して、僕は水の入ったボトルを一気に飲み干した。死ぬための用意はできていた……」
しかし、最後の最後で、彼を絶望の淵から救い出したのは、直前に電話した親友との一本の電話だった。アデバヨールはこう振り返っている。
「彼に自殺しようとしていることを伝えると、『死に急ぐな! 必ず生きる理由はある。君にはアフリカを変える可能性があるんだ』と言われたよ。その時は『僕は少しの夢も与えられない』なんて思ったけど、あの電話をして救われたんだ。僕は神様か何かが守ってくれたと思った」
壮絶な過去を明らかにしたアデバヨール。気づけば、35歳までキャリアを続ける息の長い選手となった。計8クラブを渡り歩いた名ストライカーは、バシャクシェヒルで自身初となるリーグタイトル獲得できるのか。そのパフォーマンスに注目だ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部