小野、稲本、遠藤、小笠原…黄金世代とはなんだったのか。世界準Vから20年、日本サッカー史に燦然と輝く“最強”

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2019年04月20日

後進のために切り拓いた、海外挑戦への道

日本サッカーの平成史を鮮やかに彩った79年組。稲本(左)や小野(右)らは20代前半にしてA代表の中軸を担った。(C)SOCCER DIGEST

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 現在に至る日本人選手の海外移籍の流れを作ったのも、彼らだった。
 
 最近では前回のU-20ワールドカップで堂安律が活躍し、オランダへの移籍が決まったが、99年のワールドユース後は大会のベスト11に小野と本山が入ったのにもかかわらず、誰ひとりとして海外移籍が実現しなかった。当時は、中田英寿がセリエAでプレーしていたが、日本代表のトップの選手しか海を渡れなかったのだ。それほど海外移籍は狭き門だったのである。
 
 小野たちが海外に行くまでナイジェリアから2年間の時間を要している。
 
 彼らはスポンサー枠や客寄せパンダではなく、個々の力を評価され、しかも有名クラブへの移籍を実現させた。小野はオランダの強豪フェイエノールト、稲本はプレミアリーグのビッククラブであるアーセナル、高原はアルゼンチンの強豪ボカ・ジュニオルスである。その後、中田浩二、小笠原満男らも欧州に渡った。
 
 小野は、その技術の高さと独特のセンスで入団1年目から活躍し、UEFAカップで優勝、その後もオランダやドイツで活躍した。アーセナルでの稲本は1試合も出場できずに苦しんだが、02年日韓ワールドカップで活躍してフルアムへの移籍を勝ち取り、約9年間、海外でプレーした。そうした彼らの活躍と努力の跡に海外への道が開かれ、その後、長谷部誠、本田圭佑、香川真司、長友佑都、岡崎慎司らが海外移籍へのチャンスを掴んだ。いま、若い選手たちが比較的容易に海外へ飛び出していけるのは、自らの実力もあるが、小野たちが作った道でもあるといっても過言ではない。

 
 日本代表への貢献度もすこぶる高い。
 
 黄金世代の選手たちは、ワールドユースに続く2000年のシドニー五輪でも、U-23日本代表の中心的存在となり、フィリップ・トルシエ監督の「申し子」と謳われて、日本代表の中核をも担っていった。それは日本代表にとってとても大きな意味を持っていた。
 
 ひとつは、トルシエ戦術の良き理解者であった小野や稲本は、A代表のチーム作りで「フラット3」の手本となっていた。そのため、チーム作りはトルシエの想像を超えるペースで進んだ。2000年のアジアカップでチームはほぼ完璧に仕上がり、圧倒的な強さを示して優勝を果たしている。
 
 もうひとつは、彼らがチーム内の競争を刺激したという点だ。年上の選手たちは「こいつらに負けられない」と意地を見せ、それがチーム力を高めるひとつの要因となった。
 
 代表人気を飛躍的に伸ばしたのも彼らだ。
 
 小野や稲本らの人気選手は空前のワールドカップ景気と重なって一気にブレイクし、あらゆるメディアがこぞって彼らを取り上げた。一般のファンも選手個人から代表へと興味が広がり、代表の注目度はフランス・ワールドカップ時をはるかに凌ぐ大きなものとなる。彼らの人気が代表の人気を押し上げていったと言えるだろう。
 
 もちろんその実力を、結果で証明してみせた。02年日韓大会のロシア戦で稲本はワールドカップ初勝利となる歴史的な決勝ゴールを決め、中田浩はフラット3を敷く最終ラインで4試合にフル出場を果たした。06年ドイツ・ワールドカップでは黄金世代が23名中8名も選出されるなど一大勢力に。もっとも、ドイツ大会で試合に出場できたのは高原や加地亮らごくわずかな選手のみ。彼らは力があるからこそ自らのエゴを強く押し出してしまい、それがグループリーグで敗れ去ったひとつの要因ともなった。

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