「ポケット」で水を得た香川真司の収穫と課題

カテゴリ:ワールド

田嶋コウスケ

2014年10月02日

「ドルトムント」仕様に身体を仕上げること。

後半に入ると疲労の色が濃くなった香川。本人も認めるように、コンディションが鍵になる。 (C) Getty Images

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 いま一度振り返ると、香川は当たりの激しいプレミアリーグで敵の執拗なマークに苦しんだ。攻撃のタクトを振るうトップ下で出場した際はとくにそうで、相手のボランチを背負った状態では前すら向けない時もあった。
 
 ところが、プレミアリーグに比べて相手のマークが緩いCLになると、輝きを放つことがあった。2つのゴールに絡んだ昨シーズンのグループステージ5節レバークーゼン戦(昨年11月27日。5-0で圧勝)は、その最たる例だ。このアンデルレヒト戦の香川は、似たような形で気持よくパスを受けられていた。
 
 しかも、ハイプレスを得意とするドルトムントのプレースタイル──高い位置でボールを奪い、相手の守備隊形が整わないところを一気に突く──が、香川の良さをさらに引き立てた。「ゲーゲンプレッシングの申し子」とも呼ばれる香川のストロングポイントが際立った一戦と言えるだろう。
 
 一方で、課題もあった。目に見えて運動量が落ちた後半のプレーだ。
 
 ドルトムントのハイプレスサッカーは、多大なエネルギーと体力を必要とする。チーム全体の運動量が乏しかったマンチェスター・ユナイテッド時代と比べれば、求められる走力に雲泥の差があると言っていい。
 
 実際、「すごく疲れた」と試合後に香川が認めたように、プレッシングやフリーラン、カウンター、チェイシングでフル稼働するドルトムントのサッカーに、香川の身体はまだ追いついていない。
 
「このサッカーに慣れるには、ハードワークというか、求められるところが大きいので、そういう意味ではコンディションが鍵になる」
 
 まずは自身の身体を「ドルトムント仕様」に仕上げることが、当面の課題と言えるだろう。
 
取材・文:田嶋康輔
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