大迫勇也抜きでも攻撃陣は好調なブレーメンだが…他にない強みを持つ日本人FWこそが終盤戦のキーマンに! 【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2019年03月30日

大迫不在の試合で守備を固めてくる相手に大苦戦…

アンタッチャブルな存在のクルゼ(左)、好調な22歳のコソボ代表ラシチャ(右)ら、優れたタレントによる熾烈な定位置争いが、攻撃陣の好調ぶりを生み出している。さらに大迫も控えている状況は、欧州カップ戦出場権を狙うブレーメンにとっては喜ばしいものである。 (C) Getty Images

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 今月の代表ウィークによるリーガ中断期間をブレーメンで過ごした大迫について、チームマネジャーのフランク・バウマンは、「今週、大迫は個別メニューでトレーニングを行なった。復帰の目標としているのは、マインツ戦(30日)だ」と語っていた。

 ただ、「間に合うと思うし、そう祈っているが、長期離脱していたことを考慮しなければならない」と、明言は避けている。正直なところ、いつ頃にメンバーのオプションとなれるかは、まだ不明なままだ。

 前述した通り、他の攻撃陣が好調なだけに、大迫がメンバーに戻れたとしても、すぐにレギュラー復帰とは当然いかない。だが、完全に居場所をなくしたわけでもない。それは、大迫には他の選手にないクオリティーがあるからだ。

 コーフェルト監督は大迫獲得時に、「ユウヤは狭いスペースでも、いつでも解決策を見出し、空いたスペースでうまく動くことができる。ゴールを背に向けてプレーするクラシカルなFWではなく、常に裏へ動けるFWだ。非常にクリエイティブで、決定的なパスを出せ、自分自身でも決めることができる」と絶賛していた。

 確かに、ラシチャ、J・エッゲシュタイン、ハルニク、そしてサージェントは、それぞれスピードがあり、単独で持ち込むドリブル能力も高い。だが、攻撃を構築し、味方選手をサポートし、1試合のあいだに幾つものポジションをこなすことができ、さらにアシストを決められて、ゴールを奪える選手は、大迫だけだ。

 事実、大迫欠場時にブレーメンは、ニュルンベルクやヘルタ・ベルリン、シュツットガルトといった、守備を固めてくる相手には大苦戦している。欧州の舞台を狙うためには、大迫の復帰が必要不可欠なのだ。

 今シーズンのリーガはまだ、8試合も残されている。加えてブレーメンは、DFB杯でも勝ち残っている。コーフェルト監督は、「シーズンのラストスパートの際に、ユウヤは間違いなく必要になる」と断言した。

 まずは、しっかりと怪我を治し、コンディションを整えることだ。頼りになる男の復帰を、ファンもチームも、みんなが心待ちにしているのだから。

文:中野 吉之伴

【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日生まれ。秋田県出身。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2018-19シーズンからは元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU16監督を務める。「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)、「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」(ナツメ社)執筆。オフシーズンには一時帰国して「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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