「三銃士」は意外と融通が利かない?新戦力の不発が暗示する森保ジャパンの不安材料

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2019年03月23日

ボリビア戦では新戦力を活かしつつ、臨機応変に戦う姿を見せてほしい

 合流して時間が短いこともあり、息を合わせることはなかなか難しいだろう。鈴木ももう少しボールを呼び込む動きや声でボールを要求するなどチームに馴染む努力が必要だ。だが、お互いを知る中盤の選手が新しい選手を活かして良さを引き出してやろうという余裕と意識がもっとあってもいい気がする。
 
 鈴木と香川真司が交代した後、小林裕希、乾貴士、そして79分にはこちらもデビュー戦となるFW鎌田大地が投入された。だが、鎌田を出すなら鈴木と交代させ、より時間を与えるべきだったのではないか。初代表の試合でプレー時間がたったの11分間では自分の良さを出すのも評価するのは難しい。89分に入った安西幸輝もしかり、である。
 
 今回の試合のテーマである新戦力の融合は、鈴木も鎌田も自分本来の良さを見せることができずに終わった。鈴木は「これからお互いのことをより理解し、コンビネーションを高めていくしかない」と述べたが、今のままではさほど変化が望めない。
 

 正直なところ、このチームはもっと柔軟性があると思っていた。
 だが、アジアカップで大迫の不在時や今回のように大迫の亡霊を追うような試合を観ていると、意外と融通が利かないチームなのかもしれないという印象を受けた。強いチームや本当に質の高い選手は、持ち味が明確な新しい選手が入ってきた場合、その選手の良さを引き出すために臨機応変にプレーすることができる。日本のチームも選手もそれができるだけの高いクオリティを持っているはずなのだが……。
 
 新戦力を活かすべく、もっと丁寧にかつ柔軟に戦うことができれば戦い方の幅は広がるはずだ。そのためには多少システムを崩してもいいし、ポジションを入れ替えてもいいのではないか。コロンビア戦も途中から鈴木と中島のポジションを入れ替えて中島を中央に置き、CFを南野にしてもよかった。かみ合わないなと思ったら選手間でやりくりし、臨機応変に変えていくのもチームの成長には欠かせないことであるし、それがチームの強みにもなる。
 
 ボリビア戦では新戦力を活かしつつ、自分たちの良さを見せて臨機応変に戦う姿を見せてほしい。
 このチームの強みのひとつは、「対応力」なはずだ。
 
取材・文●佐藤俊(スポーツライター)
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