「目の前の一試合に全力を出し切るだけ」
前述したように、プレーオフ圏内に勝ち残っても北九州は昇格できない。それは悲しいことだが、意欲を下げる要因になっていないことは15勝7分け9敗という数字からも明らかだ。ちなみに北九州は接戦に滅法強く、15勝中11勝が1点差の勝利である。
昇格できないことについて訊ねると、その質問は慣れっこだというかのように、選手たちは表情を変えずに話してくれた。
「ぼくたちはプロですから、目の前の一試合に全力を出し切るだけです。個人としても、しっかり活躍して契約を勝ち取らないといけないですから」(前田)
「ぼくたちがプレーオフ圏内に勝ち残ることで1チーム、昇格のチャンスが消える。そういうのも面白いと思います」(小手川)
チームの充実ぶりが表情や言葉に滲み出ていて、とても好感が持てた。
もっとも、この試合のあと少し考え込んでしまった。
Jリーグ、特に今季のJ2は北九州を筆頭に、湘南、松本山雅、ファジアーノ岡山、大分トリニータなど、大きな支援母体を持たないチームが大健闘を見せている。しかし、その一方で磐田、京都サンガ、ジェフ千葉といった恵まれたチームがだらしない。
弱小球団が意地を見せるのは痛快だ。しかし「持てるチーム」が、その環境に甘えているのはおかしい。
「自分たちは恵まれた環境でプレーしている、それは結果でお返ししますよ」というプライドがなければ、プロって何なの? ということになってしまう。
取材・文:熊崎敬
昇格できないことについて訊ねると、その質問は慣れっこだというかのように、選手たちは表情を変えずに話してくれた。
「ぼくたちはプロですから、目の前の一試合に全力を出し切るだけです。個人としても、しっかり活躍して契約を勝ち取らないといけないですから」(前田)
「ぼくたちがプレーオフ圏内に勝ち残ることで1チーム、昇格のチャンスが消える。そういうのも面白いと思います」(小手川)
チームの充実ぶりが表情や言葉に滲み出ていて、とても好感が持てた。
もっとも、この試合のあと少し考え込んでしまった。
Jリーグ、特に今季のJ2は北九州を筆頭に、湘南、松本山雅、ファジアーノ岡山、大分トリニータなど、大きな支援母体を持たないチームが大健闘を見せている。しかし、その一方で磐田、京都サンガ、ジェフ千葉といった恵まれたチームがだらしない。
弱小球団が意地を見せるのは痛快だ。しかし「持てるチーム」が、その環境に甘えているのはおかしい。
「自分たちは恵まれた環境でプレーしている、それは結果でお返ししますよ」というプライドがなければ、プロって何なの? ということになってしまう。
取材・文:熊崎敬