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【岩政大樹】”なんとなく”では太刀打ちできない。それがはっきりしたのがアジアカップの収穫だ

カテゴリ:日本代表

岩政大樹

2019年02月02日

カタールやサウジアラビアに対しては、あまりに無策であった

 逆に日本が具体的な策を講じたのは前半も30分を過ぎたあたり。0−2になり、さらにチャンスをいくつか作られてからでした。大迫選手と南野選手を縦関係にして守備を始める対策は有効でしたが、この試合を勝ちにもっていくには遅過ぎました。
 
 攻撃においても、5−3−2で構える相手にブロックの外で”各駅停車”でボールを回してから攻めていこうとするため、5−3−2を敷く相手に対し、有効な手をなかなか打てませんでした。後半に入り、武藤選手を早めに投入し、南野選手のゴールに繋げるまでは良かったものの、次の交代は残り5分を切ってから。それも伊東選手を生かすやり方には見えませんでした。
 
 結局、抱えている問題はアジアカップを通して修正されたわけではなく、相手によって表面化したか、しないかであったように思いました。
 
 2トップとサイドハーフの4人で高い位置からプレスをかける。それはどの試合でも見られました。それが成功する相手、例えばイラン戦ではいい試合ができました。
 

 しかし、日本のプレスのかけ方に対し、明確な解決策と技術をもつ相手、例えばカタールやサウジアラビアに対しては、あまりに無策であったと言わざるを得ません。そのなかで、選手たちが冷静な対応でしのぎながら、自然発生的に見出した選手たちの解決策で勝っていく。「自分たちで考える」と言えば聞こえはいいですが、それでは「対世界」になれば間に合わないと思います。
 
 それは今大会だけでなく、半年前のロシア・ワールドカップのベルギー戦でも見られたことです。2点をリードしたなかで、具体的に明確な策を用意して攻めてきたベルギー。それに対し、日本は対応することなく、あるいは対応することができず、逆転を許してしまいました。
 
 では、日本代表の「対応」とは具体的にどういったものなのか。相手に対し、チームとしてどんな「幅」を具体的にもっているのか。「対日本」の具体策を用意し、さらにそこに精度が伴う相手には”なんとなく”では太刀打ちできません。
 
 それがはっきりとしたことがアジアカップの収穫と言えるでしょう。本来であれば、1か月あるアジアカップのなかで、解決策を垣間見たかった気持ちはありますが、4年後のワールドカップまでの道の途中、それも歩き出したばかりとなれば、これをステップとして捉えるべきなのかもしれません。
 
 今大会で具体策を提示しなかったのが、カタール・ワールドカップまでの意図した戦略であることを願います。
 
【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。鹿島で不動のCBとし2007年から前人未踏のJ1リーグ3連覇を達成。2010年の南アフリカW杯メンバーにも選出された。現在は解説者として活躍中。
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