松本はつねにゴールへの最短距離を狙っている。
この日の記者会見もそうだったが、反町の会見では細かなデータが次々と飛び出す。
「我々はCKから14点取っていますが、今日は湘南が1点決めたので14対14のイーブンになりましたね」
「我々はJ2でいちばんオフサイドを取られていますが、それをやめるつもりはない」
このふたつの言葉からわかるのは、松本がつねにゴールへの最短距離を狙っているということだ。
松本はCKを含めたセットプレーのゴールが非常に多い。この日も今季、PK以外で一度もセットプレーでの失点がない湘南からゴールを決めた。
反町監督がセットプレーにこだわるのは、敵を圧倒するのが難しい松本にとっては、それがもっとも効率のいい得点手段だと考えているからだ。実際に松本のセットプレーは非常に練られていて、CK、FKはもちろん、高さのミスマッチを突く岩上のロングスローもCK並みの武器となっている。
何でもないハーフウェー付近からのFKも、松本の場合はゴールになるんじゃないか、という気がしてくる。
またオフサイドが多いのは、つねに敵の背後を狙っている証。敵の一瞬の隙を逃さず、一発の縦パスからゴールを襲う。
ちなみにセットプレーとカウンターなら、無理に自分たちの守りを崩さなくてもゴールを決められる。すべてが理に適っている。
いずれもリーグ1位となる湘南の62得点、14失点は信じられない数字だが、松本の49得点(同3位)、25失点(同2位)というのも素晴らしい数字だ。
この数字が物語るように、反町監督は限られた資源で最大の成果を上げている。つねに目の前に敵がいるサッカーは不確定要素に満ちていて、万全な準備をしても結果につながらないことが多い。
にもかかわらず反町監督は、答を出し続けているのだ。
松本のゲームを観ていて、巧い! と膝を叩くことは少ない。ただ、敵としてみたら怖いだろうなと思う。なぜなら、不意にゴールを襲ってくるからだ。攻められっ放しでも、終わってみるとなぜか勝っている。反町康治は、石を金に変える錬金術師なのだ。
取材・文:熊崎敬
「我々はCKから14点取っていますが、今日は湘南が1点決めたので14対14のイーブンになりましたね」
「我々はJ2でいちばんオフサイドを取られていますが、それをやめるつもりはない」
このふたつの言葉からわかるのは、松本がつねにゴールへの最短距離を狙っているということだ。
松本はCKを含めたセットプレーのゴールが非常に多い。この日も今季、PK以外で一度もセットプレーでの失点がない湘南からゴールを決めた。
反町監督がセットプレーにこだわるのは、敵を圧倒するのが難しい松本にとっては、それがもっとも効率のいい得点手段だと考えているからだ。実際に松本のセットプレーは非常に練られていて、CK、FKはもちろん、高さのミスマッチを突く岩上のロングスローもCK並みの武器となっている。
何でもないハーフウェー付近からのFKも、松本の場合はゴールになるんじゃないか、という気がしてくる。
またオフサイドが多いのは、つねに敵の背後を狙っている証。敵の一瞬の隙を逃さず、一発の縦パスからゴールを襲う。
ちなみにセットプレーとカウンターなら、無理に自分たちの守りを崩さなくてもゴールを決められる。すべてが理に適っている。
いずれもリーグ1位となる湘南の62得点、14失点は信じられない数字だが、松本の49得点(同3位)、25失点(同2位)というのも素晴らしい数字だ。
この数字が物語るように、反町監督は限られた資源で最大の成果を上げている。つねに目の前に敵がいるサッカーは不確定要素に満ちていて、万全な準備をしても結果につながらないことが多い。
にもかかわらず反町監督は、答を出し続けているのだ。
松本のゲームを観ていて、巧い! と膝を叩くことは少ない。ただ、敵としてみたら怖いだろうなと思う。なぜなら、不意にゴールを襲ってくるからだ。攻められっ放しでも、終わってみるとなぜか勝っている。反町康治は、石を金に変える錬金術師なのだ。
取材・文:熊崎敬