思いきりの良い攻撃的なサッカーを見せて、勝てば日本のムードは盛り上がる
サウジアラビア戦は、勝かったことは素晴らしいが、もうひとつチームに魂を吹き込むような、今後に勢いがつくような試合になったかというと、そこまでとは思えない。
そう感じるのは、勝ち方もそうだが、昨年の親善試合の5試合とはまるで違う戦い方が展開されていたということだ。例えばウルグアイ戦では、強豪相手に怯むことなく、前からボールを奪いに行き、連動した攻撃で積極的な試合展開を見せた。親善試合とはいえ、サウジアラビアより遥かに強い世界の強豪に真っ向勝負を挑んで4-3で勝ったのだ。
だが、サウジアラビア戦は、戦略的な戦いとはいえ、真逆の展開だった。
グループリーグ3戦目のウズベキスタン戦で控え組が意欲的にプレーし、逆転勝ちをして、「さぁこれから」と盛り上がるキッカケをそこで掴んだはずだが、サウジアラビア戦はその流れをもうひとつ活かせなかった。
それは、サウジアラビア戦後、ピッチの選手の表情からも読み取れた。
そう感じるのは、勝ち方もそうだが、昨年の親善試合の5試合とはまるで違う戦い方が展開されていたということだ。例えばウルグアイ戦では、強豪相手に怯むことなく、前からボールを奪いに行き、連動した攻撃で積極的な試合展開を見せた。親善試合とはいえ、サウジアラビアより遥かに強い世界の強豪に真っ向勝負を挑んで4-3で勝ったのだ。
だが、サウジアラビア戦は、戦略的な戦いとはいえ、真逆の展開だった。
グループリーグ3戦目のウズベキスタン戦で控え組が意欲的にプレーし、逆転勝ちをして、「さぁこれから」と盛り上がるキッカケをそこで掴んだはずだが、サウジアラビア戦はその流れをもうひとつ活かせなかった。
それは、サウジアラビア戦後、ピッチの選手の表情からも読み取れた。
厳しい試合を勝ち抜けた喜びというより、なんとか勝って終わったという感じだった。とりわけ前線の選手は、いまひとつ消化し切れていない感を受けた。勝利による高揚感はなく、ベンチから選手が飛び出してくるようなこともなかった。
そういうシーンを見ていると、ふと考えてしまう。どこと戦ってもイケる――。そんな風に選手全員がチームとして感じられているのだろうか。
決勝トーナメントは負けたら終わりなので、サウジアラビア戦は勝てばいいと割り切ることも悪くはない。しかし、自分たちのスタイルをベースとしたサッカーを展開できなければ、国際大会は制することはできないし、アジア各国に脅威を与えることもできない。そうなると今後、ワールドカップ予選を戦う上でも影響が出てくるだろう。
次のベトナムは決勝トーナメント1回戦でPK戦の末にヨルダンを破っている。日本が過去、勢いをつけてきた勝ち方で上がってきている。そのベトナムに昨年の親善試合で見せた思いきりの良い攻撃的なサッカーを見せて、勝てば日本のムードは盛り上がる。
ベトナム戦、「日本らしさ」を見せて勝つことは、準決勝から先を考えると重要なポイントになる。
文●佐藤俊(スポーツライター)