波に乗れない森保ジャパン…ウズベク戦では"空気"の入れ替えが不可欠だ|アジア杯

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2019年01月14日

出番を待ってギラギラさせている選手が、まだ大勢いる

負傷した大迫の穴を埋める選手は現われるか。武藤(13番)は代役候補のひとりだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 よく選手は「試合に出れば、調子が上がる」というが、試合に出てプレーすれば自分の状態が分かるし、その後の生活のリズムもつかみやすくなる。心の中でためていたストレスも発散することができる。より主体的にチームにかかわり、何かしらの形で貢献したいという気持ちが試合に出る前よりも高まる。こういう姿勢を個々が抱くことはチームに一体感をもたらす意味で非常に重要で、その後に劇的な勝利が生まれたりすると、それをキッカケにチームとしてのまとまりが急速に増していくのだ。
 
 また、控え選手が活躍するとチームが非常に盛り上がる。
 
 2011年アジアカップ豪州大会、準々決勝のカタール戦で決勝ゴールを挙げた伊野波雅彦は主力の内田篤人に代わって右サイドバックでの出場だった。89分、長谷部誠からの縦パスが前に入ると前線に駆け上がり、香川のシュートのこぼれ球を決めている。なぜ、あそこに伊野波がいたのか。そんなことが当時あちこちで囁かれたが、控え組の選手が出場して結果を出し、勝ったことでチームは非常に盛り上がった。

 控え組の活躍により、主力選手はうかうかしてられないと刺激になり、他の控えの選手は、「次はオレがやるよ」、そういう競争にも似たポジティブな空気が生まれたのだ。
 
 実際、カタール戦の次の準決勝・韓国戦では、途中出場の細貝萌がゴールを決め、存在感を示した。決勝ではこれも途中出場の李忠成が豪快なボレーシュートで優勝を決め、ヒーローになっている。豪州大会では日替わりで控え組からヒーローが出るという、まさに勝ち上がっていくチームの最大の特徴が出ていたわけだ。
 
 今のチームには、まだ本物のヒーローが出ていないし、途中交代枠はトルクメニスタン戦が1名(南野拓実→北川航也)、オマーン戦も2名(北川航也→武藤嘉紀、堂安律→伊東純也)しかない。出番を待ってギラギラさせている控えの選手が、まだ大勢いる。
 
 森保監督は、オマーン戦後に「多くの選手を使って行きたい」と次戦に向けての抱負を語っていた。決勝トーナメントで勝ち上がっていくことを考え、控え組のモチベーションとコンディションを上げるためにも次は控え組を絡めたメンバーで戦うだろう。

 そのチームで勝利を挙げることができれば、首位通過のご褒美ももちろん、主力選手に「オレたちがレギュラーである」ということを簡単に思わせないムードが生まれてくる。それが森保監督が今大会を勝ち抜くためのキーワードとして挙げていた「チームの成長」のひとつであることは間違いない。
 
文●佐藤俊(スポーツライター)
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