ペットボトルの水を選手に渡していたのは、三浦弦太だけだった
それを許していたのが、攻から守備の切り替えの緩さだ。日本は相手が格下ということで甘く見ていたのか、それがロシアW杯の時より10倍ぐらい遅かった。攻守の切り替えの早さこそ、日本のウリであり、生命線だったはず。これからの対戦相手は個の能力も高くなり、カウンターの質も上がっていく。最終ラインとボランチだけではなく、全体でその意識を高めていく作業が必要だ。
もうひとつ気になったのは、サブ組の意識である。
76分、相手GKが痛み、給水の時間になった。ピッチサイドに選手が給水のために集まってきたが、その時、ベンチからビブスを着たままペットボトルの水を選手に渡していたのは、三浦弦太だけだった。
大会を勝ち進み、優勝するためには「一体感」が必要なのは間違いない。それは過去優勝したチームのどの選手も口々に語っている。サブ組は「自分たちが支えるから全力でピッチでプレーしてくれ」というメッセージを練習でレギュラーの選手にぶつけ、彼らはサブ組のその意気を感じて『やらないといけない』と思い、必死にプレーする。もちろん、練習だけではなく、試合でも給水やタオルを出すなどあらゆるサポートをする。そうした補完関係を築き、勝ち続けることでチームは、ひとつにまとまっていく。
もうひとつ気になったのは、サブ組の意識である。
76分、相手GKが痛み、給水の時間になった。ピッチサイドに選手が給水のために集まってきたが、その時、ベンチからビブスを着たままペットボトルの水を選手に渡していたのは、三浦弦太だけだった。
大会を勝ち進み、優勝するためには「一体感」が必要なのは間違いない。それは過去優勝したチームのどの選手も口々に語っている。サブ組は「自分たちが支えるから全力でピッチでプレーしてくれ」というメッセージを練習でレギュラーの選手にぶつけ、彼らはサブ組のその意気を感じて『やらないといけない』と思い、必死にプレーする。もちろん、練習だけではなく、試合でも給水やタオルを出すなどあらゆるサポートをする。そうした補完関係を築き、勝ち続けることでチームは、ひとつにまとまっていく。
だが、この時のシーンには、サブ組が試合でプレーする選手をサポートするという意識があまり見られなかった。選手が給水に来た時、コーチよりもサブの選手から水をもらい、一声かけてもらうことがどれほどの力水になるのかを、サブのメンバーは理解していないのだろうか。
ベンチには、青山敏弘や乾貴士がいる。
04年中国大会での藤田俊哉、三浦淳宏らのようにベテランが先頭に立ち、ピッチ戦っている選手をサポートするムードを作っていくことが求められる。
ただ、大会は始まったばかり。次のオマーン戦では途中出場の選手が結果を出してレギュラーとサブをつなぎ、チームの一体感作りを進めていってほしい。
文●佐藤俊(スポーツライター)