【コラム】ビックリマン、安室奈美恵…思い出深き中澤佑二という偉大なるフットボーラー

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェスト)

2019年01月08日

ポステコグルー体制の下で、さらなる進化への期待

ランニング中、あえてカメラマンのほうに近づく配慮を見せ、「良い写真は撮れましたか?」と笑顔で尋ねる。メディアに対し、常に相手を気遣う姿勢も中澤の魅力のひとつだ。写真:徳原隆元

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 そうやって日々を積み重ねたプロキャリアは20年。現役最後のシーズンとなった2018年、アンジェ・ポステコグルー新監督の下、堅守を伝統とするチームは攻撃的なアタッキングフットボールへの転換を図るなか、中澤も必死にニュースタイルに対応していた。
 
 指揮官は最終ラインをできるだけ高い位置に設定。DFの背後には広大なスペースがあり、40歳の中澤には「厳しいのでは」という声をよく聞いたが、個人的には、その“個の強さ”が改めて引き出されていると感じた。
 
 裏を取られる前に、潰す――例年以上に、球際で相手FWと“ガツガツ”やる場面が増えた。歴戦のDFは簡単に負けなかった。鍛え抜かれた体躯と熟練の駆け引きを活かした1対1の強さをいかんなく発揮し、激しく戦った。
 
 3節の鳥栖戦では、敵のGKが前線の選手を目掛けてロングフィードを送ると、センターライン付近で中澤が見事なインターセプトを見せる。ハイライン戦術でも、持ち味のひとつである鋭い読みは存分に活かされていた。
 
 シーズンの中盤戦以降はコンディションが万全ではなく、ピッチから遠ざかった。それでも、いつか復帰して、またあのプレーが見られると思っていた。40歳にして、もうひと伸び、さらなる進化があるのではないかと期待していた。その姿が楽しみだった。
 
 だが、背番号22はスパイクを脱ぐ決断をくだした。「もがき苦しみ、がむしゃらに掴み取ったプロ生活」に終止符を打った。
 
 DFでこれだけ魅せられる選手は少ないと思う。妥協や甘えを許さず、ストイックに己を高め続けた、まさにプロの鑑と言える選手でもあった。後進たちにも多大な影響を与えた存在だったはず。濃密な20年間のキャリアで、日本のサッカー界に大きな足跡を残した偉大なるフットボーラーには感謝の気持ちしかない。
 
文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 

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