指揮官は、選手がつまずくと予想できる「小石」をあえてそのままにした
今年は技巧的なスタイルにおけるひとつの手本と見ていた前橋育英の取り組みを見習い、攻守の切り替えや球際、声出し、ハードワーク、こぼれ球の競り合い・拾い合いを定めた五原則を導入。技術的に優れた選手を活かすサッカーを捨てるわけではない。ただ、そうした選手をより輝かせるために、泥臭さを徹底した。選手からの自発的な動きを尊重し、分析の結果なども我慢して伝える範囲を限定。練習試合などでは、選手がつまずくと予想できる「小石」をあえてそのままにした。選手が失敗から学んで、成長していくことを選んだ。
「試合でも、以前はすぐ飛び出して指示を出していましたが、今はほとんど座っているようになりました」(太田監督)
今年のチームは練習試合では勝てないチームだったと言う。だが、選手が監督に異見を述べてくるなど、雰囲気は「明らかに変わった」と太田監督は笑う。「選手のために」と情熱的になにでもかんでも用意しておく姿勢から、「選手のために」という情熱はそのままに、グッと我慢して待つ姿勢に転じたことが、ピッチ上でも確かな成果として現れてきている。
取材・文●川端暁彦(フリーライター)
「試合でも、以前はすぐ飛び出して指示を出していましたが、今はほとんど座っているようになりました」(太田監督)
今年のチームは練習試合では勝てないチームだったと言う。だが、選手が監督に異見を述べてくるなど、雰囲気は「明らかに変わった」と太田監督は笑う。「選手のために」と情熱的になにでもかんでも用意しておく姿勢から、「選手のために」という情熱はそのままに、グッと我慢して待つ姿勢に転じたことが、ピッチ上でも確かな成果として現れてきている。
取材・文●川端暁彦(フリーライター)