【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|三菱養和SCユース編

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2014年08月26日

勢いを持続させ、ふたつ目のサプライズを狙う。

三菱養和の得点源となっているディサロ(奥)と下田(10)。彼らが順調にゴールを積み重ねていけば、上位進出も見えてくる。 (C) SOCCER DIGEST

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 攻撃力も高まっている。前期までは中盤のパスワークから縦のロングパスやサイドチェンジによって加速するパターンが多かったが、クラブユース選手権では単独のドリブルで長い距離を持ち上がる展開を多用した。
 
 東京V戦でも、ボランチの瀬古樹がダイナミックな動きで得点を演出している。最終ラインに下りてビルドアップを手伝い、退場者を出して数的不利になった相手がプレスに来ないと見るやドリブルで前進。「相手は前線が1枚だから、下がってしまえば付いて来られない。付いて来たら裏が空くというのは理解できていた。自分が3人目で関われば、付いて来られなくなると思った」と、相手が食いついたところで左DFの椿健太郎とのワンツーから駆け上がってクロスを放ち、ゴールにつなげた。瀬古の判断力と機動力、そして思い切りの良さが活きたゴールだった。
 
 最前線には、頼りになるエースFWディサロ燦シルヴァーノがいる。クラブユース選手権では得点王に輝き、東京V戦ではハットトリック。「プレミアでも得点王を目標にしている。監督も言っていたけど、クラブユースは過去の話。優勝してもリーグの勝点は変わらない。養和を過去のチームにしたくない」と息巻いており、今後注目の存在だ。
 
 プレミアリーグでは、毎年残留争いを強いられてきた。しかし、今年こそは上位に顔を出そうという雰囲気がチームに漂い始めている。
 
 右MFの相馬勇紀が「僕らは日本一上手かったから、クラブユースで優勝できたわけじゃない。団結したからできたこと。とにかく、目の前のひとつの試合に勝つことだけに集中することが大事だと学んだ」と、一戦必勝を強調すれば、主将の池田樹雷人は「再開初戦を良い形で勝てた。勢いに乗って次も勝ちたい。早く残留争いを切り抜けて上位に食い込みたい」と上位進出を誓った。
 
 三菱養和は、Jユースでも高校でもない、プレミアで唯一の「街クラブ」だ。東京VやFC東京の育成組織のセレクションに落ちた選手も多数いるが、力強く這い上がって来た。街クラブ初のプレミア制覇へ。三菱養和は31年ぶりの全国優勝にとどまらず、ふたつ目のサプライズを密かに狙っている。
 
取材・文:平野貴也(フリーライター)

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