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【日本クラブユース選手権・総括】理想だけでは難しい。育成年代にも多様性と変化できる力が求められている

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2014年08月04日

元々の技術志向に速攻型のスタイルを組み合わせた三菱養和。

優勝した三菱養和は、技術と判断を重視した指導をベースに堅守速攻型の戦いで結果を残した。(C) SOCCER DIGEST

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「走るチーム」が目立つ大会だった。優勝した三菱養和SCユースは、堅守速攻型で特に攻撃で走る場面が多かった。ドリブルを中心に素早くボールを運び、サポートする選手が追いかける。前に出ていく迫力は格別で、スピードのあるディサロ燦シルヴァーノ、下田悠哉、相馬勇紀といった個の力を十分に生かしていた。
 
 興味深いのは、チームがそのスタイルばかりを理想とはしていないところだ。元々スクール活動が母体となって生まれた背景を持つため、基本的には技術と判断を重視したスタイルを身上としており、相手を寄せて崩すような形を得意としてきた。
 
 山本信夫監督は、決勝戦後の会見で「連戦の疲れもあって、自分たちのやりたいことをできなかった部分はある。ただ、できないなかで選手が頑張った。苦しい時間帯を耐えて、チャンスにはしっかりと点が取れていた。自分たちがボールを持つ時間を作れば、もっと守備の負担は減る。練習でも奪った後はまず1本、2本のパスを大事にして、自分で進めなければ味方を使おうと伝えている」と言い、ポゼッションの時間をもう少し長く作りたかったことを明かしている。

三菱養和のアタッカー陣は、ディサロ(写真)、下田、相馬らの個の力を十分に生かし、縦への推進力に溢れていた。(C) SOCCER DIGEST

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 実際、リードした後などにはボールを保持して時間を使う場面もあり、堅守速攻という文字だけで伝わる印象とは若干違うのが実情だ。主将の池田樹雷人は「今年はポゼッションもできるようになってきた。決勝戦は相手に持たれる部分が多かったけど、相手に合わせなければいけないところもある。大会を通じて両方のパターンを持って戦えるようになってきた」と状況に応じた柔軟性のある試合運びに手応えを見せた。
 
 2009年には、加藤大(新潟)らを擁してテクニカルなサッカーを見せて全国大会の上位に何度も名を連ねた三菱養和だが、その後は最高峰のプレミアリーグで残留争いを強いられる経験もしてきた。今シーズンの戦いで見せているのは、その中で身につけた可変型のスタイルと言える。
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