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カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年08月21日

「コンプロミソ」が話題になっているのが不思議でしょうがない。

アギーレ新監督は日本代表の現状を見極めなければ、最初から躓いてしまうかもしれない。 (C) SOCCER DIGEST

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 日本代表の新監督に就任したアギーレが、さっそくJリーグを視察したようだけど、また「マンネリ化した4年間」が始まったと言えるだろうね。体制的に変わっても、現時点では、何か新しいことがスタートしたような気分にはどうしてもなれない。就任会見を見てもどこか予定調和で、国会答弁を聞いているような感じだったね。
 
「日本に来られてすごく嬉しい」とか「全力で立ち向かうチームを作りたい」とか、言っていることは別に普通だよ。メディアは「4-3-3」という数字を取り上げているけど、それにどれほどのニュース性があるのか。約束という意味の「コンプロミソ」という言葉が話題になっているのも不思議でしょうがない。
 
 具体的になにを約束してくれたのか、今ひとつピンとこなかったね。「守備に力を入れる」とも言っていたけど、本当にそのつもりなら、アギーレの仕事は大変な作業になると思うよ。彼が望むようなプレーができる日本人選手が、果たして何人いることか。もしそんな選手がいたのなら、ブラジル・ワールドカップでもピッチに立っていたはずだから。
 
 アギーレが一流の手品師であることを祈るばかりだけど、彼にはメキシコ代表での実績があっても、ブラジル・ワールドカップで指揮を執っていたわけではない。つまり、メキシコ代表からすれば、アギーレの存在をすでに認めていないとも言えるんだ。それでも、会見場には多くの報道陣が集まっていた。なんだか4年前にも見た光景だよ。
 
 日本代表を取り巻く環境は、相変わらず変わっていない。ブラジルではグループリーグも突破できず、あれだけ惨めな戦いを見せたけど、代表戦はまた満員御礼になるんだろうね。これでは、選手たちも反省できないんじゃないかな。新監督の下でリスタートを切る以上、期待されているのは分かるけど、僕が心配しているのは、「軸」のないチームがどうやって立ち直っていくのか。
 
 はっきり言って、今の日本代表で軸となれる選手はいないんだ。本田? 香川? 僕からすれば、所属クラブでも苦戦している彼らへの絶対的な信頼など一切ない。なかでも、ワールドカップで敗退後、代表チームと一緒に帰国しなかった本田が今後も代表の軸になるなんて、僕のなかでは絶対にあり得ない。彼の行動には絶望したと言ってもいいし、期待なんてできないよ。
 
 とにかく、ワールドカップの前にピークを迎えて、ブラジルの地であっけなく崩壊してしまった日本代表に、今現在、何が残されているのかを精査しなければいけない。アギーレ新監督も、そこをよく見極めたうえでチーム作りに着手しなければ、最初から躓いて、4年後のロシアに向けて大きなロスとなってしまいかねないよ。

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