「変化」より「深化」を選んだ森保ジャパン。アジアカップは戦術ありきのフェーズへ

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2018年12月13日

アジアカップでは、プランAをより深化させることになる

一発のある山中はビハインド時の有効な駒になり得る選手だったが……。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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  バランス、アグレッシブ、ダイレクト。森保ジャパンのプランAを象徴する言葉だ。アジアカップの23人のリストを見ると、プランBの広がりは見えない。同ポジションに似た選手が多く、プランAと、プランA-だ。単純に、より優れたほうを起用するだけ。

 唯一、浅野拓磨にはプランBの香りもあるが、スーパーサブでの起用を念頭に置いたか、あるいは大迫勇也と同等のプレーをするポストプレーヤーが、他に見当たらず、違うタイプを探ったのだろう。
 
 実際、飛び出しを得意とする、大迫とは異なるタイプの1トップは、発足当初から計算されていた。浅野は9月から招集されており、10月は負傷で辞退。それ以降の森保ジャパンは、別のFWを探していたが、鈴木優磨の負傷、俊足の杉本健勇もパフォーマンスは今ひとつで、結局見つからず。
 
 裏への飛び出しを含め、動きながら特徴を出す1トップは、いま現在、飛び抜けた存在がいない。諸々の事情で本命が不在の中、森保監督の信頼が厚い、浅野が戻ってきた。そんなところか。

 いずれにせよ、森保ジャパンの枠組みはずっと同じまま。その枠組みが広がりそうな選手を試しつつ、結局元の位置に落ち着いた。
 
 アジアカップでは、このプランAをより深化させることになる。だが、チームの幅があまり大きくないため、もしかすると、試合展開によっては打つ手を失うかもしれない。それでもバランスを保ち、粘り強く戦うことを、森保監督は求めるのだろう。
 
 もうひとつ戦術的に注目したいのは、その深化させるプランAに、3バックが含まれるかどうか。

 親善試合の5試合では、多くの選手が慣れている4-2-3-1が採用され、森保監督自身も、細かい戦術の指示を出してこなかった。そのぶん、各自が持ち味を思いっきり出すことを求め、代表歴の少ない若手が、新しいA代表の中心になるべく、“選手ありき”でチームを作ってきた。
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