両足が攣るほど必死に走り抜いたが…
「自分の力のなさを感じた。僕が点を取っていれば、違った結果になったはず」
得点王はひとつの大きな成果だが、今の大前にとってはなんの慰めにもならない。「昇格できていたら、また違った感情があるかもしれないけど、今は別に、自分がどれだけ点を取ったとか、何も思わない」と話す。
東京V戦は、まさかのシュートゼロに終わった。次のラウンドに進むためには勝利が絶対条件だった東京Vの前に、大宮は劣勢を強いられ、押し込まれる時間帯が長く続く。
FWにとっては難しい展開である。大前は自陣エリアまで戻り、ディフェンスに徹した。それは本来の自分の姿ではなかったが、チームの勝利のために求められる仕事を懸命にこなした。両足が攣るほど必死に走り続けた。
「僕たちは0-0でOKというなかで、相手は点を取るしかないから、ボールを持って、ガンガン来る。そういうメンタル的な部分も絶対にあったと思う。それでも自分たちが怖がらずにボールを持って、もっと顔を出したりとか、一人ひとりがもっとできていれば」
攻撃面の迫力不足を嘆くが、回数は少ないながらも、カウンターで攻め込むシーンでは、複数人が連動しながらダイレクトでパスをつなぎ、惜しいチャンスを作り出す。そこには常に大前がいて、味方を活かす利他的なプレーは実に効果的だった。
ただ、ストライカーとして力を出し切れたかと言えば、不完全燃焼だっただろう。71分に痛恨の失点を喫した後、チームとしてパワープレーに重きを置いた戦いの中では、思うように存在感を示せなかった。
24ゴールは自身のシーズン最多得点記録だ。個人として確かな成長を実感できた1年だっただけに、最後は笑顔で終わりたかったが、残念ながらそれは叶わなかった。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
得点王はひとつの大きな成果だが、今の大前にとってはなんの慰めにもならない。「昇格できていたら、また違った感情があるかもしれないけど、今は別に、自分がどれだけ点を取ったとか、何も思わない」と話す。
東京V戦は、まさかのシュートゼロに終わった。次のラウンドに進むためには勝利が絶対条件だった東京Vの前に、大宮は劣勢を強いられ、押し込まれる時間帯が長く続く。
FWにとっては難しい展開である。大前は自陣エリアまで戻り、ディフェンスに徹した。それは本来の自分の姿ではなかったが、チームの勝利のために求められる仕事を懸命にこなした。両足が攣るほど必死に走り続けた。
「僕たちは0-0でOKというなかで、相手は点を取るしかないから、ボールを持って、ガンガン来る。そういうメンタル的な部分も絶対にあったと思う。それでも自分たちが怖がらずにボールを持って、もっと顔を出したりとか、一人ひとりがもっとできていれば」
攻撃面の迫力不足を嘆くが、回数は少ないながらも、カウンターで攻め込むシーンでは、複数人が連動しながらダイレクトでパスをつなぎ、惜しいチャンスを作り出す。そこには常に大前がいて、味方を活かす利他的なプレーは実に効果的だった。
ただ、ストライカーとして力を出し切れたかと言えば、不完全燃焼だっただろう。71分に痛恨の失点を喫した後、チームとしてパワープレーに重きを置いた戦いの中では、思うように存在感を示せなかった。
24ゴールは自身のシーズン最多得点記録だ。個人として確かな成長を実感できた1年だっただけに、最後は笑顔で終わりたかったが、残念ながらそれは叶わなかった。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)