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ポドルスキを取るか、チャナティップを取るか? 外国人枠の拡大で問われるJクラブのビジョン

カテゴリ:Jリーグ

加部 究

2018年11月25日

明暗を分けるのは広がった外国人枠を埋めるために、どこに選手を探しに行くか

外国人枠の拡大でイニエスタ(左)やF・トーレス(右)のような夢のあるタレントがさらに増加するだろうか。(C) SOCCER DIGEST

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 確かに20世紀には、突出した個の伝説がいくつか刻まれた。旧くは1973年、シーズン序盤を3勝2敗2分けともたついたバルセロナは、ヨハン・クライフが加入した途端に劇変。以後約半年間を18勝6分けと無敗で突っ走り、クラブ創設75周年を優勝で祝した。あるいは98~99年には、セリエAに昇格したばかりのヴェネツィアがどん底で沈んでいたが、年明けにアルバロ・レコバが加わると急上昇を始め、最終的には18チーム中11位まで跳ね上がった。しかし組織化が進み、スペースと時間が制限された21世紀に、同じような伝説を紡ぐのは難しい。むしろ今年のJリーグを見ても、最下位から建て直し二桁に迫る連勝街道を突っ走ったガンバ大阪の宮本恒靖監督に象徴されるように、組織を束ねる側に投資する方が効率的なのかもしれない。
 
 いくらダゾーンマネーが流入したといっても、Jリーグに働き盛りのトッププレイヤーは呼べない。一方でもはや晩年を迎えた一流選手が、気楽に結果を呼び込めるレベルでもない。そこで明暗を分けるのは、広がった外国人枠を埋めるために、どこに選手を探しに行くかだ。例えば、ジョーという大物ストライカーを獲得しても、そこまで良い形でボールを運べる土壌が整っていなければ真価は引き出せない。それは同じく名古屋で、アーセン・ヴェンゲルを連れて来た途端に、ピクシーが躍動し始めたのに通じる部分がある。メッシやエムバペに手が出ない以上、スプリントが減ったポドルスキよりは、ハングリーで毎試合全力疾走するチャナティップの方がインパクトを残せる。人気を取るか、実を取るか。クラブのヴィジョンが問われるところだ。
 
 結局組織的な連動やハードワークを謳えば、同質的な日本人を軸にした方が効率的だ。その中でプラスアルファをもたらせる外国人選手を探し出すのは、決して簡単な作業ではない。むしろ発展を阻害しているのは、能力を秘めた若い芽を躊躇なく引き上げるマインドで、そういう意味ではホームグローンプレイヤーに関する規定が緩すぎるのが気になるところである。
 
文●加部 究(スポーツライター)
 
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