6戦未勝利という絶望スタートから頂点へ…粘り強くJ2を制した松本山雅FCの"底力"

カテゴリ:Jリーグ

大枝 令

2018年11月20日

粘り強くしたたかに戦い抜いたからこそ、最後に栄冠が転がり込んできた

J1に再挑戦する松本。反町監督の8季目も事実上決まっているという。写真:徳原隆元

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 ここで鮮烈な輝きを放ったのが永井龍だった。56分に同点のPKを決めると、白眉は64分。藤田息吹のロングパスからカウンターを発動させ、永井はそのまま長い距離をドリブルしていく。ペナルティエリア付近で一度はスローダウンしたが、相手DFとGKの間を縫うようなゴールで勝ち越しに成功。殊勲のストライカーは「勝つか負けるかで上に行けるか行けないかが大きく違うと思っていた中でのゴール。大宮さんは1点取って(数的有利だと)気が緩むと思っていたし、それがチャンスになるから突いていこうと話をしていた。一瞬のチャンスを見逃さないようにしていた」と声を弾ませていた。
 
 以降も確かに、2位以下を突き放すような圧倒的な強さがあったわけではない。町田と横浜FCには連敗を喫したし、首位攻防戦となった39節の大分トリニータ戦も見せ場なく黒星。それでも粘り強くしたたかに戦い抜いたからこそ、最後に栄冠が転がり込んできた。最終節はアディショナルタイムに「ドロー狙い」というメッセージを込め、岩間雄大を投入。その通り0−0でクローズすると、望外の優勝でリーグを締めくくった。
 来季は2015年以来となるJ1に再挑戦する。反町康治監督の8季目も事実上決まっており、今度こそ「日本のトップ15入り」を目指すための熾烈な戦いに身を投じる。前回の昇格時と異なり、昇格すれば返却が前提となるレンタル組はひとりもいない。こうなった場合を想定したクラブの戦略で、その意味でも前回の反省を生かしていると言える。
 
「若くてこれからチームの根幹になる選手を獲得するのかどうか。外国人枠の問題も変わっていくから、そこを埋めるのかも協議していかないといけない。強気で勝負しないと」と指揮官。その目は早くも、勝負の来季を見据えている。
 
取材・文●大枝令(スポーツライター)
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