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遅刻の罰、時速36キロ、誤審…波乱の「フランス版クラシコ」を変えたのは、やっぱり“アイツ”だった【現地発】

カテゴリ:ワールド

結城麻里

2018年10月30日

今後も問題になりそうなエムバペの遅刻問題。怪童は天狗に?

試合中は両軍の選手が一触即発で睨み合う場面も…。そうしたダービーらしい“熱い”シーンは随所で見られた。 (C) Getty Images

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 ピッチに入るだけで敵の心理を落ち込ませるのが、怪童たる所以だ。投入からわずか3分後には、マルセイユのモルガン・サンソンが何でもないボールをロスト。するとディマリアからのパスを受けたエムバペが時速36キロの快速を飛ばしてあっという間に敵陣を突破。さらりと先制弾を流し込んだ。これで形勢は一気に逆転した。

 マルセイユにとって不運だったのは、試合終盤に起きたミスジャッジだ。

 86分、パイエがFKからボックス内にボールを供給。この時、相手CBのマルキーニョスが、ケビン・ストロートマンの身体を抱きかかえて、倒れ込む。ストロートマンは俸のようにして身体を伸ばして立っていたが、主審はこれをストロートマンのファウルと判定し、ホイッスルを鳴らす。その直前にルーズボールを途中出場のミトログルがゴールへと押し込んでいたが、主審はホイッスルの後だったとして無効にしたのだ。

 このミスジャッジに怒ったマルセイユのリュディ・ガルシア監督は、VAR(ビデオ判定)を要求するも、主審はガルシア監督を退場処分にしてしまう。結局、VARも検討されず、マルセイユのゴールは幻ものとなった。

 そしてアディショナルタイムも終わろうかという95分にまたしても“アイツ”を起点にし、ダメ押し点が生まれる。

 エムバペが素早いパスでネイマールを走らせると、それに反応したブラジル代表FWが左サイドを突破してシュート。これをゴール前でユリアン・ドラクスラーがねじ込んだ。

 マン・オブ・ザ・マッチももちろんエムバペだ。ただ、試合終了直後のフラッシュインタビューでは珍しくカメラから目をそらして語り、表情も硬いままだった。このためインタビュアーに「笑顔、笑顔」と催促されて苦笑い。当人にとっても遅刻の罰はかなり痛かったようだ。

 一方、エムバペを特別扱いしなかったトゥヘル監督は、憂いに満ちた表情で「僕にとっては悲しい試合」と繰り返し、遅刻の罰については「ディシプリン的問題としか言えない」として、「フットボールは常に個よりチームが優先して回るものだと思う」とも決断のワケを説明した。

 兎にも角にもダービーマッチに勝利したパリSGはこれで開幕11連勝を達成し、1960-61シーズンにトッテナムが樹立したヨーロッパ記録に並んだ。しかし、遅刻問題によるトゥヘル監督のエムバペ外しは、これからしばらく話題になりそうな気配だ。怪童はこのまま“天狗”になってしまうのだろうか……。

文●結城麻里text by Marie YUUKI
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