大雨にも、嵐にも、雷にも負けず、低い重心で躊躇わずにボールを奪って起点となり、ピンチを一転してチャンスに変えられる。この日もそのようなシーンを何度も作った。そして味方のフォローを全力で常に怠らない。
プレースタイルは異なるが、共通項はいくつかある。猛烈な嵐の中でも動じないその姿勢。日本の中心で放った存在感は、湘南ベルマーレの大先輩である、中田英寿を彷彿させた。
このチームをキャプテンとして牽引してきた。ただ、齊藤はこのインドネシア戦、本当の意味で、全員で掴んだ勝利だと実感したという。
「僕が全員に声を掛けるというより、一人ひとりが声を掛けて意識を持てていました。チームが勝ちたいっていう気持ちがあった分、みんながキャプテンだというような意識を持ってできたのではないかと思います」
齊藤はそう嬉しそうに言って笑った。U-19日本代表はとにかく明るく元気なチームだと、影山雅永監督も認める。その象徴とも言える清々しい笑顔だった。
取材・文：塚越 始
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