良い叩き台となるウルグアイ戦

韓国には敗れたウルグアイだが、今回はよりコンディションが上がっていることが予想される。日本にとっては勝敗もさることながら、この戦いからどれだけ多くのものを得られるかが重要だ。 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)
攻撃に関しても、コンビネーションを使ってサイドを崩す、というかたちは、思いの外に少なかった。単純に裏へ蹴り込んでしまい、プレーが流れてしまう、という場面も見られた。そういった状況を、中島、南野らの個人技でカバーしたというのが実像である。
戦術的カラーもまだ見えない。それは森保監督が、一番バランスの取れた4-2-3-1(4-4-2とも言える)というシステムを選択し、選手に無理な要求をしていない点にあるだろう。それによって、ノッキングせずに始動することができた。
戦術的カラーもまだ見えない。それは森保監督が、一番バランスの取れた4-2-3-1(4-4-2とも言える)というシステムを選択し、選手に無理な要求をしていない点にあるだろう。それによって、ノッキングせずに始動することができた。
強化を図るのは、これからだ。強豪とのマッチアップで選手の長所と短所を見極め、チームの完成度を高める必要がある。良い船出はしたが、これから来る波濤(はとう)を越えていくのだ。
「もっとミスを少なくし、クオリティーを上げていかないといけない」(森保監督)
16日、有力選手を擁するウルグアイとの一戦は、良い叩き台となるだろう。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。