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再び降格圏へ沈んだ名古屋…J1残留のために求められるのは「独りよがりではない自分たちらしさ」だ

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2018年10月09日

ここ2試合はジョーの当たりも止まった

ジョー(7番)の非凡な決定力をを上手く活かせていないようだ。(C)SOCCER DIGEST

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 悪癖は攻撃面でも目立った。いわゆる「足下ばかりになる」というやつだ。

 ボールを保持し、多重的なペナルティエリアの攻略を第一目標とする名古屋の攻撃は、確かに相手にとっては一番危険な区域に人数をかけて攻め入ってくるという点では脅威ではある。しかし、しばしば陥ってしまうのがパスを回して崩しのポイントを探ることばかりに執心し、シュートに持ち込めなくなってしまう事態だ。

 まるできれいに崩しきることしか考えておらず、かつ素早いパスのコンビネーションしかその選択肢として持たないような攻めになりがちで、良い時の名古屋はそこにダイナミックな背後のスペースへのフリーランがアクセントにも蜂の一刺しにもなって相手を崩しきる。この日は和泉や前田直輝らがサイドからのドリブルによる打開を画策しすぎた嫌いがあり、「一人がドリブルで打開できればいいんだろうけど、それも難しいとなれば、やっぱり二人、三人と同じ考えを持ちながらやらなければいけない」と玉田圭司が苦言を呈したほどだった。
 
 玉田はさらにここ2試合でジョーをフィニッシャーとして機能させられていない点についても語っており、「もちろん相手も警戒しているだろうし、警戒されているんだったら誰かが気の利いたプレーをすればいいと思うんだけど……ねえ?」とやはり思考の不足を指摘。「フロンターレの時もそうだったけど、ボールをつなぐには一人も休んじゃいけないと思うし、良いポジショニングも必要。それが欠けていた」と要求を重ねている。

 前半からE・ネットに代わってリンクマンとなるべく走り回り、フル出場で10キロを走り抜いた38歳のベテランの背中と提言に、若いチームは多くを感じ取らなければいけない。7連勝の最中ではそれができていたのだからなおさらである。試合は終盤に相手のオウンゴールで1点を返せたものの、自分たちで崩せはせず、1-2で逃げ切られた。追い上げの気概すらカウンターの燃料にされてしまった戦いに、猛省は必須だ。
 
 見えてきたトンネルの出口はまだまだ遠いことがわかったが、決して見失ったわけではない。宮原の代役探しはなかなかに難儀だが、負傷欠場していたG・シャビエルが当初の予定を2週間ほど早めて復帰してきたという朗報もある。

 残り7戦の相手は曲者、強豪揃いだが、まず考えることは自分たちの実力をどれだけコンスタントに発揮できるようにするかで、それが相手への対応や対策とイコールになっていけば、彼らは一回りも二回りも強くなれる。自分たちのサッカーに相手を引き込むためには、相手の嫌がることをし、相手の良さを消すことも必要だ。独りよがりではない“自分たちらしさ”の追求は、残留争いを生き延びるためにも取り組むべき名古屋の課題である。
 
取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
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