レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第41回・プラティニ(元フランス代表)

カテゴリ:PR

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年10月04日

母国に初のメジャータイトルをもたらした英雄

全てがうまくいったEURO1984。歓喜の輪の中心には、常にプラティニがいた。9得点の内訳は、右足2点、左足2点、FK2点、PK1点、ヘディング2点。まさに万能の将軍だった。 (C) Getty Images

画像を見る

 ユベントスで全てのタイトルを手にしたプラティニ。これにどれほどの貢献を果たしたかは、彼が82-83シーズンから3年連続でセリエA得点王に輝いたこと、そしてバロンドールを83年から3年連続で受賞したことからも明らかである。
 
 ユベントスの当時のオーナーで、『フィアット』の総帥だったジャンニ・アニェッリは、プラティニについて「パンほどの金額で買った選手が、パンの上に乗せるキャビアの価値があった」と称賛。一方、インテルの役員だったサンドロ・マッツォーラは「一番の後悔は、プラティニを獲得できなかったことだ」と語っている。
 
 87年に引退する時、アニェッリ・オーナーから「フェラーリの社長の椅子でも何でもやるから、イタリアに残ってほしい」と懇願されたほど、ユベントスで輝かしい功績を残したプラティニだが、彼にはフランス代表という別の栄光のキャリアもある。
 
 76年3月27日に行なわれた親善試合のチェコスロバキア戦でA代表デビューを飾り、当時のエースだったアンリ・ミシェルに「僕に蹴らせてほしい。必ず決めるから」と頼んで譲ってもらったFKで初ゴールを記録すると、ここでもすぐに主軸としての地位を確立した。
 
 この年にはモントリオール五輪にも出場し、準々決勝まで進出したが、2年後には初めてワールドカップの舞台に立つ。フランスにとって3大会ぶりの出場だったが、プラティニは予選の大一番ブルガリア戦で、貴重なゴールを鋭いミドルで決めている。
 
 本大会では、開催国アルゼンチン、イタリア、ハンガリーと同組という最激戦区に組み込まれ、あえなく1次リーグで敗退を喫したが、ミシェル・イダルゴに率いられたフランスのパスサッカーは高い評価を受けた。その中心であるプラティニは、アルゼンチン戦でW杯での初ゴールを決めた。
 
 82年、2度目のW杯はキャプテンとして出場。暑いスペインでの大会、1次リーグではイングランド戦で1アシスト、クウェート戦で1ゴール1アシストを記録したプラティニは、アラン・ジレス、ジャン・ティガナ、ベルナール・ジャンギニと「中盤の四銃士」を形成し、2次リーグ突破の原動力となり、フランスは西ドイツ(当時)との準決勝に駒を進めた。
 
 このW杯史上、初めてPK戦に勝敗が委ねられた一戦は、まさに究極の戦いとなり、1-1で突入した延長戦、フランスがプラティニを中心にパスを自在に繋いで2点を先取すると、西ドイツが驚異の粘りで追いついた。
 
 11メートルの戦いも、先に外したのは西ドイツだったが、フランスはディディエ・シス、そしてサドンデスの6人目でマキシム・ボッシが外し、手が届きつつあった初の決勝へのチケットを掴みそこなった。プラティニはこの試合を「あらゆる感情が噴出した、唯一無二の戦い」と振り返っている。
 
 失意の結末を迎えたこの大会から2年後、自国開催の欧州選手権(EURO1984)に臨んだプラティニは、カルチョの国で2年間を過ごしたことで、心・技・体の全てが最高潮の状態にあり、後にも先にも例がない、全試合得点&全試合決勝ゴールという大偉業を成し遂げる。
 
 しかもグループリーグではベルギー戦、ユーゴスラビア戦と続けてハットトリックを達成。ひとりの選手がこれほどまでに突出した活躍を見せた大会は、他にはないだろう。イタリア移民の2世がフランスに初のメジャータイトルをもたらし、真の英雄となった。翌年には彼は、レジオンドヌール勲章を受勲している。
 
 中盤のゲームメーカーであり、味方に必殺のスルーパスで決定機を提供しながら、それ以上に自らが得点を量産したプラティニ。自身を「9.5番」と呼んだ彼は86年、欧州王者として3度目のW杯に臨み、残された最後の称号「世界王者」を求めて、メキシコに乗り込んだ。
 
 大会中に31歳の誕生日を迎えた彼は、決勝トーナメント1回戦のイタリア戦で初ゴールを挙げて勝利に貢献。準々決勝のブラジル戦では歴史的激闘を制したが、PK戦ではシュートがクロスバーを越してしまうなど、そのプレーには微妙に狂いが生じていた。
 
 絶好のリベンジの機会となった準決勝・西ドイツ戦では序盤に先制され、プラティニが自らゴールを奪おうと前線に残ったことでフランスの攻撃は停滞。時間の経過とともに焦りと苛立ちばかりが募り、試合終了間際に決定的な失点を喫して、彼の最後の挑戦は幕を閉じた。
 
 87年4月に「レ・ブルー」に別れを告げた将軍は、さらに数か月後、セリエA最終節のブレッシャ戦を最後に、現役生活にも幕を閉じた。突然の発表ではあったが、メキシコW杯後の彼が「心身の燃料が切れた」(本人談)状態だったのは、誰の目にも明らかだった。
 
 引退後も華々しいキャリアを築き、フランス代表監督、98年フランスW杯組織委員長、UEFA会長、FIFA副会長を歴任。天性のカリスマ性は、ユニホームからスーツに着替えても威光を放ち続けた。
 
 一方で非常に純粋で人の良い性格の持ち主ともいわれ、次期FIFA会長の最右翼といわれながら2015年に不正な金銭授受で失脚した際、その純粋さゆえに脇の甘さを、権謀術数に長けたゼップ・ブラッター会長(当時)らに突かれ、事件に巻き込まれたと見る向きは多かった。
 
 現在は表舞台に出ることは少なくなったが、サッカーの歴史を華麗に彩った天性のリーダーには、これまでとは違うかたちで、再びサッカー界への貢献が期待される。

戦略サッカーシミュレーションの決定版! ポケサカに”レジェンド”たちが登場

簡単操作で”サッカーの奥深さ”を体感できるスマートフォン用本格戦略サッカーゲーム「ポケサカ」(OS対応はiOS/Android/KindleFire)。今回は“フランスの将軍”ミシェル・プラティニがついに登場!「プラティニカップ」にエントリーして、「フランス版プラティニ」を手に入れよう。自分だけの戦略と登場するレジェンドの力を合わせてクラブチームの頂点を目指せ!!
詳細はアプリ内お知らせでチェック!!
 
公式HP:http://www.pksc.jp/
公式twitter:@PocketSoccer_PR
 
App Storeからダウンロード
https://itunes.apple.com/jp/app/id572515596
Google Playからダウンロード
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.newstech.awakereset
KindleFireでダウンロード
http://www.amazon.co.jp/dp/B00L94O82W
【関連記事】
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第40回・レコバ(元ウルグアイ代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第35回・エトー(コンヤスポル所属/元カメルーン代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第30回・カンナバーロ(元イタリア代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第25回・ゾフ(元イタリア代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第20回・ロベルト・カルロス(元ブラジル代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第15回・ベッケンバウアー(元・西ドイツ代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第10回・ファン・バステン(元オランダ代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第5回・キーガン(元イングランド代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第1回・シェフチェンコ(元ウクライナ代表)

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ