【日本代表】ハビエル・アギーレ新監督の人物像に迫る

カテゴリ:日本代表

ロベルト・マルティネス

2014年07月24日

野球やアメフトを好んで観戦。映画鑑賞や読書が趣味。

選手に指示を出すその顔に笑みがこぼれる。真正面からぶつかり合う人間関係の構築がいわば信条だ。 (C) Getty Images

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 選手としてのターニングポイントを迎えるのは、念願を叶えたその直後である。86年10月26日のスポルティング・ヒホン戦だった。勢い余って相手GKと激突し、脛骨と腓骨を骨折する重傷を負ったのだ。
 
 この怪我を境にアギーレのキャリアは下降線を描くこととなり、オサスナでのキャリアはわずか10試合ほどの出場で終わってしまった。それでも、そのガッツ溢れるプレーはファンの脳裏に深く刻まれ、それが後年の監督就任にも繋がった。
 
 指揮官としてオサスナに戻ったアギーレは、この一介の地方クラブを04-05シーズンにコパ・デル・レイの決勝に導き、その翌シーズンにはリーグ戦の4位に押し上げる。望外の好成績と言っていいだろう。
 
 イケル、アンデル、イニャキと3人の子供全員にバスク系の名前を付けているように、アギーレとバスクとは切っても切れない関係にある。
 
 アギーレは多趣味な人でもある。ベースボールやアメリカンフットボールを好んで観戦し、映画鑑賞や読書にも時間を費やす。
「24時間サッカーのことだけを考えていると自慢げに話す監督がよくいる。もちろん、そのプロ意識の高さは尊敬に値するが、わたしには真似はできないな」
 そう語るところからも、多様性を歓迎する人柄が見て取れる。
 
 とはいえ、働き者ばかりの日本に行けばパジャマ姿でシエスタ(昼寝)をする習慣は当分お預けとなる。はたして頑固さと柔軟性を併せ持った「愛すべき軍曹」は、日本代表のさらなる成長に寄与することができるだろうか。
 
 豊富な経験と強烈な人格は間違いなく一流のそれであり、選手の選考にも独自の色を出していくだろう。ワールドカップで大きな失望を味わった日本代表にとって、活力を注入する格好の指揮官であるのは間違いない。
 
文:ロベルト・マルティネス
翻訳:下村正幸
 
【ハビエル・アギーレ プロフィール】
1958年12月1日生まれ
メキシコ メキシコシティ出身
 
[選手キャリア]
1976-1980 クラブ・アメリカ(メキシコ)
1980 ロサンゼルス・アズテックス(アメリカ)
1980-1984 クラブ・アメリカ(メキシコ)
1984-1986 アトランテ(メキシコ)
1986-1987 オサスナ(スペイン)
1987-1993 グアダラハラ(メキシコ)
メキシコ代表歴:59試合・4得点
 
[監督キャリア]
1995-1996 アタランテ(メキシコ)
1998-2001 パチューカ(メキシコ)
2001-2002 メキシコ代表
2002-2006 オサスナ(スペイン)
2006-2009 アトレティコ・マドリー(スペイン)
2009-2010 メキシコ代表
2010-2011 レアル・サラゴサ(スペイン)
2012-2014 エスパニョール(スペイン)
 
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