セットプレーで流れに乗ったW杯でのイングランド
様々な要因によって首位を走る広島だが、何より勝利することで集中力が増していることが大きい。序盤戦に得た勢いのままに突っ走っている。
現在、その勢いは次第に衰えつつあるものの、代わって勢いを得たのが、最下位に沈んでいた名古屋グランパスだったことで、首位戦線までは進撃の足音は届いていない。
集団というのは、わずかなきっかけで劇的に変わり得るということだろう。
現在、その勢いは次第に衰えつつあるものの、代わって勢いを得たのが、最下位に沈んでいた名古屋グランパスだったことで、首位戦線までは進撃の足音は届いていない。
集団というのは、わずかなきっかけで劇的に変わり得るということだろう。
ロシア・ワールドカップにおけるイングランドも、セットプレーで機を得て、流れに乗って勝ち進んだ。彼らは大会を通し、決して目覚ましいプレーをしていたわけではない。しかしながら、チームが一丸となって臨み、自信を得た。
グループリーグ初戦のチュニジア戦で、エースのFWハリー・ケインがCKからヘディングシュートで決勝点。この勢いを駆って、1990年イタリアW杯以来、28年ぶりのベスト4まで勝ち進んでいるのだ。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。